シューマン:交響曲第2番 / サヴァリッシュ

シューマン:交響曲第2番 ハ長調op.61
      序曲、スケルツォとフィナーレ op.52

ドレスデン国立管弦楽団
指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
WPCS23249

 このブログをほったらかしてた7年の間に、ずいぶんいろいろ変わったものです。
 この録音は確かかつてEMIで出ていた筈で、そのEMIは2012年だかにユニバーサルに身売り、今ではEMIというレーベル自体2016年くらいにワーナーにほぼ置き換わってしまったという。だから、このCDにはワーナーのロゴが入っています。
 この録音を指揮したサヴァリッシュも2013年に亡くなりました。

 正直言うと、ここ最近は、ネットでもあまり上質な情報が取れないこともあって、あまり世間の評判とかいうものは聞いていません。はっきり言って疎い。ただ、それでも、例えば、サヴァリッシュの名声もかつてに比べると急速に薄れているのかなという気はします。確かに、サヴァリッシュは亡くなる暫く前から引退状態だったので、存在感は薄れていたとは思います。とはいえ、1980年代から2000年代前半にかけては、N響での指揮、バイエルンの引っ越し公演など、存在感は十分あったと思うのですけどね。むしろN響ではトップクラスとみなされていたのでは。

 この録音は、1972年のもの。ライナーではStaatskapelle Dresden となっているので、むしろ「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」と訳す方がしっくり来るのですが、1972年だとまだゼンパー・オーパーも修復されていない筈だし....いろいろあるんでしょう。きっと。
 自分がサヴァリッシュなんかをN響で聞いてた頃には、1972年録音と言われると、「おお!新しいじゃん!」という感じだったなぁと、今更ながら思い出します。最初に聞いたのは壁崩壊の前だったしね.....

 なんか昔話ばかりですが、それを言ったら、シューマンも今はあまり聞かれないのかなぁ、という気がしてます。
 最近のオケの演奏会でも、シューマンはあまり取り上げられないような。アマチュアでもそうなんですかね。マーラーだのブルックナーだのブラームスだの、ってあたりが主流なような気はします。でも、この曲とか、「ライン」とか、結構いいと思うんですけどね。まぁ、確かに、弾いてる方にも、聞いてる方にも、張り合いという意味では弱いのかしらねぇ。

 でも、正直言うと、じゃぁこの曲どこがいいの?と言われると、「イントロ!」って答えてしまうところではあるんですよね。金管が遠く響く中、弦が静かに、波のように、音楽を紡いでいく。もう、これがいいなぁと。今自分が常用してるのはミニコンポレベルのものではあるんですけれども、このレベルで聞いても、ああ、こういう重層的な音の作りっていいよな、と思う瞬間ではあります。

 演奏としてこれがこの曲のベストかどうかはよく分かりません。ただ、この頃の録音は、デジタル以前だけれど、アナログ録音の進化としては録音技術的に成熟してきた時期だと思います。昔は、下手な80年代のデジタル録音より、70年代の方がいいなんて言っていたこともありましたっけ。そういう意味では今でも十分聞ける録音だと思います。まぁ、最近リマスターしたっていうのもあると思いますけどね。



ブログ復活:巻頭言のようなもの

 突然ですが、このブログを再開しようと思います。まぁ、そうは言っても、そうそうあれこれ書けないとは思うんですが......

 このブログ、最初の記事が2005年、中断したのが2009年だから、4年ほど書いてたんですね。その後、並行してやってる、LFJと日々のコンサートのブログの方がずっと長くなってしまっているわけです。なんで今更、という話ではあるのですが......

 このブログ、CDやらなんやらの録音ものについて書くブログだった訳ですが、中断してから8年、その間いろいろありましたが、一番変わったなと思うのは、もうそろそろCDというパッケージが絶滅しそうな雰囲気が漂ってきたところかなと。
 個人的には、まだまだCD買ってるんですけどね。でも、もう町のレコード屋というのは殆ど死滅してしまった。本屋も随分なくなりましたけれど、レコード屋はそれ以上だと思います。大手のレコード屋も、HMVは随分縮小してしまったし、秋葉原にあった石丸電気もヤマギワも無くなってしまった。山野楽器とタワーレコードくらいしか無くなってしまった。その分アマゾンやら通販で、という話はあるけれど、でも、そもそもCD自体もう買わなくてもいいや、という世の中に落ち着きつつあるのかなと。
 いや、そうは言っても、もう8年前にはそんな傾向ではあったんですけどね。でも、ここ最近見ていると、いよいよ「レコード屋」という業態が保たなくなりつつあるのかなと思うんですね。というより、次から次へとソフトが出されていく中で、もう、網羅的にCDを置いて聞かせるという業態が成立しないのかなと。CDを売る店は残るかも知れないけれど、昨今言われる「音楽のライブ化」が進んだ結果、もうCDは集めるものではなく、アレヤコレヤの録音を聴き比べるというのもやってられないのかなと。
 クラシック音楽というのは、これまでは、いわば同曲異工(同工異曲ではないわな...)を楽しむというものだったのだけれど、それも難しくなっていくのかなと。確かにネットで情報を集めれば、どういうものがいいと言われているかは分かるのだろうけれど、なんもかんもスーパーフラットに等価のものとして置かれてしまう結果、急速に忘れられていくということもどんどん増えていくのだと思います。例えば、30年前ならベームのモーツァルトは半ばリファレンスみたいな存在だったけれども、今ベームのモーツァルトは決してリファレンスとは見なされないと思います。

 別にそれがいけないわけではないんです。ただ、30年前に「これがスタンダードだろう」と思って聞いていたベームは、もう、スタンダードではない。むしろ、異端と思われていたアーノンクールが巨匠で権威になってしまった。そう考えるなら、あえて、今、「こう思う」ということを残しておくのもいいのかなと。多分、10年もすると、CDで音楽を聴くというのは少数派になってるんじゃないかと思います。10年ではそこまでいかないかもだけど、15年、20年、多分そういう時は来ると思います。もう私は一生かけても聴ききれないくらいCDを持ってしまっているのではあるけれど、今、どんなものを聞いていたのか、どんなパッケージがあったのか、というのを残してみるのも悪くないのかな、と。

 まぁ、そんな感じで、ぼちぼち書いていこうと思います。

トスカニーニ/NBC響のコンサート映像 Vol.4 (11/2)

The Television Concerts - 1948-52  Vol. 4
 C. M. von Weber : "Euryanthe" Overture
 J. Brahms : Symphony No.1 C minor, op.68
 R. Wagner : "Lohengrin" Prelude to Act 1 / "Siegfried" Forest Murmurs / "Tristan und Isolde"
                   Prelude and Liebestod / "Goetterdaemmerung" Siegfried's Death and Funeral Music /
                   "Die Walkuere" Ride of the Valkyries

  NBC Symphony Orchestra
  Arturo Toscanini (comduct)
 TESTAMENT  SBDVD 1006

 いつのまにか11月でやんの.....................
 いや、もう全然書く気が起きなくて放置してました。我ながら酷いもんすね、全く。これじゃ「日記」どころか「月記」も通り越して「季記」になっちゃうって......
 まぁ、書きたい時に書けばいいのです。と開き直っておいて、と........

 ト スカニーニのNBC交響楽団とのライブは、よく知られた伝説になっております。レコードやCDでも出ていますが、時期的にもうTVは始まっているので、映 像も結構残っています。確か20年以上前にLDで全集みたいにして出てますが、その後も何かでまとめて出されてるし、多分ビデオカセットでも出たことある んじゃないかと思います。確か20年前のLDの時は、同時にビデオカセットでも出たんじゃないかな?
 比較的最近では、EMI音源の発掘で有名なTESTAMENTがDVDにしています。で、あるところで、それを一枚千円くらいで売っていたのを買ってきました。まぁ、確かに、あまり売れないわな。

 今回買ったのは、第2/3/4巻。その中の4巻を見ています。これには、1951年11月と12月、2回の中継が収められています。ブラームスの1番がメインのプロ、それにワーグナー・プロ。
 1951年ですから、勿論画像はモノクロ、音声もモノラル。画質・音質共に良くないです。まぁ、流石に1950年代なので、それを考えるとまだましな方でしょう。テレビ中継用だったので、その分バランスは聞き易いという意味でいいみたいだし。

 こ のDVDでの楽しみは、やはり映像、トスカニーニの指揮にあると思います。音楽がダメな訳ではないけれど、トスカニーニとNBC響の録音はCDでも出てい て、それなりに聞けるレベルなので、今更そこはアピールポイントにはならないだろうと。むしろ、トスカニーニの指揮が面白い。
 い や、トスカニーニの指揮が、何か特別なものになっている訳ではないのです。むしろ、概ね知られている通り、速めのテンポで、しっかり振っていて、暗譜で。 ただ、この指揮が、とても分かり易くて明晰なんですね。見ていて気持ちいいくらい。曖昧とした所が無く、棒の表情も分かり易い。左手の指示も的確で、「無 駄がないなぁ」とつい思ってしまうくらい。
 勿論、このDVDでも、ずーっとトスカニーニばかり追っ掛けている訳ではありませんが、やはりトスカニーニの指揮に目を引かれてしまう、そんな感じなのです。

 ト スカニーニの演奏は、「新即物主義」などという言われ方をするスタイルに属することになっています。ただ、これ、一般的には、ドイツに於ける過剰なロマン 主義に対抗する形で生まれた考え方で、だから、元はドイツ語で Neue Sachlichkeit と呼ばれるものを日本語に訳したんですね。日本語で「即物的」っていうと、ちょっと否定的なニュアンスが漂いますが、これはちょっと考え直した方がいいよ うに思います。ちなみに、辞書を引くと、Sachlichkeit には、事実に即している、即物性、といった他に、客観性とか実用本意である、飾り気がない、といった意味もあるようです。そう思うと、日本語の「新即物主 義」という言い方には、それを普及させた者の意図めいたものを感じてしまいます。
 こ の映像の頃、トスカニーニはもう80歳を越えています。それにして、この明快な指揮。動作は大きく、それでいて無駄が無く、的確で、それ故に美しい動き。 指揮の良し悪しはよく言われますが、見ていて「いいなぁ」と思う指揮は、それほど何処にでも転がっている訳ではありません。このトスカニーニの指揮を見て いると、とても音楽的な指揮だな、と思うのです。やたらと神秘めかして、それ故に神だの何だのとオカルトじみたことを言われるようなのとはもう全く違う。
 指 揮というのが、音楽を演奏する為の一対他のコミュニケーションだとするなら、やたら神秘めかして言われる指揮は、実は、コミュニケーションの悪さを言って いるのだと思います。分かりにくいから、受け取る方が必死扱いてああでもないこうでもないと読み取って、それをさも大切な事であるかのように言う。その体 験が間違いだとは言わないけれど。でもその一方で、トスカニーニのこの指揮と、それにも拘らず極めて厳しく「トスカノーノ」なんぞと呼ばれるようなリハー サルをしたこととを考えると、これほどの指揮にして一体どれだけの事を言おうとしたのか、と思ってしまいます。

 ブラームスの交響曲も勿論面白いのですが、この中ではローエングリンの前奏曲が面白いです。いい演奏です。過不足なく、「新客観主義」の名に恥じない演奏です。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : トスカニーニ

ハイドン:太陽四重奏曲集 (op.20) (9/10)

ハイドン:弦楽四重奏曲第31~36番 作品20-1~6 Hob.III/31~36

ウルブリヒ弦楽四重奏団
DENON COCO-70733-4

 夏がどうやら終わりそうです。このblogも夏休みを終えて、ぼつぼつ復活です。
 え?いつ夏休みだなんて言ったかって?言ってなかったっけ?('-')/?

 .......はい。さぼってただけです。だって暑いし、書く気しなかったし、それに殆ど見てる人いないし、いいじゃないですか、ねぇ。


 閑話休題。


 なんとなく夏を挟んで、そんな気も失せてしまったハイドン・イヤーですが、久々にハイドンを聞いております。
 夏が終わったというけれど、真夏日になるかならないか、というくらいで、まだ十分暑いです。そういう時季には、ハイドンの弦楽四重奏なんてのはさっぱりしていて、なかなかいいかなと。

 ハイドンは長年に渉って弦楽四重奏を書いています。今回は、作品20の6曲。1772年の作曲なので、40歳頃の作品ということになります。太陽四重奏曲集という通称があるそうですが、正直あまり知りませんでした。曲想からそのように名付けられている訳でなく、後に出版された楽譜の表紙の装飾画が太陽だったから、という、なんだかなぁ、という理由で付いたものだそうで。
 演奏は、ウルブリヒ四重奏団。これまたよく知らない..... 往年の東独の四重奏団だそうで、ドレスデン・シュターツカペレのメンバーで構成されていたとか。

 なんだかピリッとしないというか、格別の引きがなさそうな話で恐縮ですが、演奏にせよ曲にせよ、強烈な自己主張で惹き付ける、という音楽ではないんですね。そんなの聞いててつまらない?でも、そういう、押し付けがましくないところがいいのです。
 作品番号20、と言われると、ハイドンとしては結構若書きなのか、という気もしてしまうところですが、この作品を書いたのは40歳頃。とても「若書き」という歳ではないですよね。この曲集、後年の、「皇帝」だとか「ひばり」のような個性はあまり感じないですし、完成度ではやはり上を行くものも多いかも知れません。でも、この控え目な、けれどよく出来た音楽を聞くのはなかなか楽しいものです。脱力する、というわけではないけれど、ほどよくクールダウンさせてくれる音楽でしょうか。

 ま、そんな聞き方ってのもどうなんだ、という意見はあると思いますが、夏の間狂躁状態で過ごした身には、そういう時間というか、聞き方というのも必要なのかな、と思ったりするのではあります。

 ま、またぼつぼつと聞いていくことにしましょう。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

アンセルメ/スイス・ロマンド管のボロディン (7/9)

A.Borodin : Symphony No.2 B minor / No.3 A minor / "Prince Igor" Overture, Polovtsian Dances / In the steppes of Central Asia
Choeur des Jeunes, Lausanne
Choeur de Radio, Lausanne
L'Orchestre de la Suisse Romande
Ernest Ansermet (conduct)
DECCA 480 0048

 最近、blogを書かないのに慣れてしまいました(笑)だって、忙しいし.....
 別館の方はマメに書いてますけど、こっちはいつでも書けると思うと存外ほったらかしに。引っ越して、アクセス数も激減したし(^^;

 ま、そんなわけで久し振りの更新です。
 最近相次いで出されている、エルネスト・アンセルメの録音を収めたデッカの廉価盤の一つです。ボロディンづくしということで、交響曲2番とグラズノフ補筆による第3番、歌劇「イーゴリ公」からの楽曲と「中央アジアの草原にて」が入っています。なかなか盛り沢山。

 ボロディンは結構好きなのですが、意外と取り上げてなかったりします。大体が、聞かれる曲が少ない。正直、ここに収録されている曲、まぁイーゴリ公は全曲ですが、それに弦楽四重奏を入れればほぼ網羅したと言っていいと思います。
 ボロディンが凄いな、と思うのは、これだけ作品が少ないのに、いずれも非常に魅力的な曲だということ。グラズノフやリムスキー=コルサコフらの助力もあるにせよ、どれもつい引き込まれてしまうのです。イーゴリ公なんて、決して出来のいいオペラとは言えないと思うのだけれど、音楽はとてもいい。だから、上演があればなんとか行きたいなと思うのでありますが、なかなかねぇ。

 それはともかく、ボロディン好きにはたまらないこのCDですが、これがアンセルメの割に録音がいいのです。交響曲は1954年10月の録音、となっているのですが、これが結構聞けるのです。古臭い音を紗の向こうから聞く、なんていうことでは決してなく。まぁ、古いけど古臭くて我慢出来ない訳ではない、ってところでしょうか。
 むしろ、ボロディンの一連の作品を、程々に格調高く演奏してくれるアンセルメ万歳!と言いたいのです。決して民俗音楽イロ物扱いではなく、けれどスクェアでもなく、きっちりと音楽をやっているのです。
 交響曲の第2番は、カルロス・クライバーがよく取り上げていた事もあって、結構知られている曲ではあるようですが、日本ではあまり演奏されないような気がします。確かに、舞曲(それも古典ではなく)風だったり、雰囲気を出すのが難しそうだったり、一筋縄では行かないのかも知れませんが、本当は面白いんですけどね。
 アンセルメ指揮のスイス・ロマンド管は、こういうのを過不足無く雰囲気出すのに上手いんですね。安心して聞いていられるので、尚の事いろんな所が見えて来たりして、面白い。今回聞いていて気付いたのは、第4楽章。これ、改めて聞くと、西部劇なんかで出て来そうな音楽なんですよね(笑)グローフェとかコープランドとか言われたら、あっさり騙されそうな気がします(苦笑)
 「ダッタン人の踊り」とかは今更言うまでもないでしょう。

 それにしても、アンセルメの録音ってこんなに良かったかなぁ、とつくづく思うのであります。これだと、他も期待していいのかな?



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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