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ディースカウ&ベイカーのバロック・デュエットの夕べ (5/18)

F.=ディースカウ & J. ベイカー バロック・デュオ・コンサート
  ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ (bariton)
  ジャネット・ベイカー (soprano)
  ジョージ・マルコム (organ, harpsichord)
  ケネス・ヒース (cello)
 東芝EMI TOCE-13319


 これは割と珍しい録音かも知れません。
 フィッシャー=ディースカウといえば、既に引退して久しいですが、ドイツ・リートのスタンダードの1つを打ち立てた名バリトン、というわけで、録音も非常に多いのですが、正規のライブ録音というのは決して多くありません。
 というより、そもそも昔は大手レーベルではライブ録音自体が決して多くは無かったと思います。1950年代にCetraあたりがライブ録音を結構やっていたようだけれど、元々ライブで綺麗に録ることが決して楽ではなかったのでしょう、デジタル全盛期以降は編集も楽になったからか、ライブ録音も増えたようですが、この録音は1970年のもの。2月23日,ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのコンサートでライブ録音されたのだとか。多分、大ホールではなくて,リサイタル用のホールか何かだと思うのですが、それにしても、しっかり聴衆の咳払いやらの物音、思わず起こる笑い声、勿論区切りでの拍手も入っています。ライブ感溢れる録音。

 そういうことも珍しいのですが、この選曲自体も珍しい。原題は "バロック・デュエットの夕べ" との意ですが、ポーランド、ドイツ、イングランドの作曲家の作品から選ばれています。皆バロック期の作曲家、という以外は統一性はなさそうです(笑) 選ばれた作曲家も、ヘンデルを除けば、なんとかシュッツを知ってるという程度です、私は。
 歌うはバリトンとソプラノ、伴奏はハープシコードとチェロとなっていますが、フィッシャー=ディースカウとベイカーの歌い方といい、ハープシコード(とオルガンの筈ですが,日本盤クレジットからはオルガンが欠けています。オリジナルジャケットのコピーと思しきには「organ & harpsichord」とはっきりクレジットされているのに)とチェロの響きといい、昨今のオーセンティックな古楽演奏を聞く耳には、ちょっとオールドファッションに響くかも知れませんが、まぁ、歌手がいいので、どうだっていいんですそんなことは(笑) まぁ、歌手がいい、と言っても、いわゆる古楽らしさ、とはかなり違って、この二人の名歌手としての良さ、なのですが。
 そうかといって、この二人が、これらの古風な歌をいわば素材にして好き勝手やる、などという趣向ではありません。演奏方法は今流行のそれとは異なるだろうけれど、これらの歌が持つ繊細さと、時に見せる野趣とを誇張するでなく、自然に聞かせてくれています。
 但し、最後の、ヘンデルの二曲はちょっと別物。ここまでの各曲が、宗教的な内容だったり、或いは肩の凝らない思わず笑いのこぼれるような歌だったり、と、言わば繊細さを身上とした小佳曲であるとすれば、この二曲は、言わば構成を感じさせる「大きい」曲。決して大味な訳ではなく、いい曲なのだけれど,編成は二重唱とチェンバロとチェロだけなのにオーケストラの音が聞こえてきそうな曲。ヘンデルが若い頃、まだロンドンでオペラにオラトリオにとブイブイ言わせるなんて誰も知らない頃の作品ですが、ここには、後年のオペラやオラトリオに通ずる響きがあります......というと言い過ぎ?でも、冒頭のリリウスの宗教歌や、ヘンリー・ローズの笑いを誘う他愛無い艶歌とは明らかにスタンスの違う音楽が聞こえてきます。
 こういう選曲で,無理なくシームレスに、違和感無くどちらも聞かせる所に、この録音の真骨頂が現れている、といったところでしょうか。

 ヘンリー・ローズの「口づけについての対話」が面白い。歌詞も、歌の表情も、勿論面白いのだけれど、音楽としても面白い。決して派手ではないのだけれど、歌,というよりレチタティーヴォに近い、むしろ語りのような歌が、可愛らしい色気を見せていて。こうしたものでは、民謡的なフォーク・ソングをアルフレッド・デラーが録音したものがありますが、そういうものとは少し違う洗練も感じられる。この曲集から一つ選ぶとすると、今の気分ならこれかな。ヘンデルもいいんだけどね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : フィッシャー=ディースカウ

エディタ・グルベローヴァの歌うモーツァルトの歌曲 (ザルツブルグ音楽祭より) (12/6)

Wolfgang Amadeus Mozart Lieder
Salzburg 1958-1984

 Irmgard Seefried, Ingeborg Hallstein, Helen Donath, Edith Mathis, Edita Gruberova (soprano)
 Peter Schreier (tenor)
 Walter Berry (bariton)
 Erik Werba, Loerg Demus, Klaus Donath, Heinz Medjimorec, Irwin Gage (piano)
 ORFEO C 7090621

 久々であります。というお馴染みの前振り。

 さて。先週、グルベローヴァのリサイタルを聞いて来ました。もう、いい歳ですから、いろいろ苦しいんですけれど、それでもなかなか追い付く人がいないのも事実であります。コロラトューラものを相変わらず歌ってくれて、それはそれで未だ他の追随を許さないと言いたいレベルなのだけれど、そろそろ歌うものを変えないのかな、とも思うのではあります。
 いや、コロラトューラものをやめるべき、とは言わないんですが、去年の大阪のリサイタルでも歌ってたように、歌曲ものへもシフトしていって欲しいと思うのです。さすがのグルベローヴァの歌唱も、そろそろ歌のフォルム、屋台骨が見えても来たので。歌唱力が弱って来たからアリアをやめる、のではなく、歌唱力が十分あるうちに、歌曲も歌っておいて欲しいのです。だって、グルベローヴァの歌曲はとてもいいのだから。

 にも関わらず、グルベローヴァの歌曲の録音は、決して多くはありません。まぁ、歌曲歌うより、アリア歌う方が求められるから、仕方はないのですが。
 その、グルベローヴァの歌曲の録音で、近年出て来たのが、これ。正しくはグルベローヴァの録音、という訳ではなくて、ORFEOレーベルのザルツブルグ音楽祭のライブ録音シリーズの一つで、 長年の音楽祭の記録から、モーツァルトの歌曲を集めた2枚組。この中に、グルベローヴァの録音が収められているという次第。1984年8月4日のライブということですから、もう殆ど四半世紀前の録音です。

 .............いや、もう、言うことありません。終わり。 でもいいんですけどね。
 ここで歌われているのは8曲。とはいえ、いわゆる「歌曲」は3曲。「ルイーズが不実な恋人の手紙を焼いた時」、「すみれ」、そして「夕べの想い」。他は、一応アリエッタやカンツォネッタなどと題されていますが、まぁ、これも、最後のドイツ語カンタータ1曲(K.619) を除けば、ほぼ歌曲みたいなものでしょう。
 グルベローヴァの最盛期はいつ頃か、というのは難しい所ですが、少なくともこの録音を聞く限り、早過ぎるということはありません。むしろフレッシュな声はモーツァルトのシンプルなフォームの音楽によく合っています。まぁ、1980年に名盤と言うべき「狂乱の場」アリア集を入れているのですから、このぐらい歌えてちっともおかしくはないのですが。

 二つのフランス語アリエッタもいいのですが、個人的に一番好きなのは、やはり名曲と言うべき「夕べの想い」。グルベローヴァにしてはちょっと渋過ぎる曲ではないか、という見方もあるでしょうが、グルベローヴァの華もある声だからこそ、この曲の寂寥感を交えた穏やかさが際立つと思うのです。

 この2枚組、他にはイルムガルド・ゼーフリート、インゲボルク・ハルシュタイン、ペーター・シュライヤー、ヘレン・ドナート、ワルター・ベリー、エディット・マティスといった面々が歌っております。綺羅星の如く、と言っていいのでしょう。なかなか凄いセットです。シュライヤーがなかなかいいかな。




ヘルマン・プライ:クリスマス歌曲集 (10/26)

Peter Cornelius : Weihnachtslieder op.8 no.1-6 / Vaterunser op.2
Hugo Wolf : Auf ein altes Bild / Schlafendes Jesuskind

 Hermann Prey (bariton)
 Leonard Hokanson (piano)
 Deutsche Grammophon 477 7969

 忙しい、という暇もなく忙しいのであります。
 いや、遊んではいるのですが、blog書いてる余裕が無いと言うか...........よく言えば公私が切り分けられているけど、私の時間が足りない?うーむ、そう言っていいのかどうか........

 で、CDも聞いてはいるけど、blogにするような内容でなし、或いはblogに書けない、大した内容にならない、というのが最近の状況です。まぁ、そう言ってる一方では、あれこれやってるんだから、「書く気が起きない」ということなのでしょう。そういう時期もあるさ、と。

 というわけで、ゆるゆると書いてみるのであります。以上、言い訳ですね

 ヘルマン・プライは何度か取り上げていると思いますが、御存知の通り名バリトンであります。ドイツリートの領域で多くの録音を残していますが、「これなぁに?」というようなものも含めて結構録音しているのであります。
 ペーター・コルネリウス。1824年生まれ、1874年没。時期的にはドイツ・ロマン派まっただ中の人で、実際作風もその通りと言えばその通りですが、基本的には声楽の人、です。歌曲の作品が多いけれど、決してメジャーな作曲家ではないでしょう。その中から選ばれた宗教的な歌曲集2つに、ヴォルフの幼少のキリストに関連した歌曲2つを収めた録音です。
 でも、正直言うと、よく知らないんですよね。何せ、このCD、輸入盤だから対訳はともかく、原語の歌詞もついてない。
 まぁ、多分、聞けば分かるでしょ?ということなのかな、と。ドイツ語圏の人しか買わないでしょ?で、分かるでしょ?歌詞は....ということなのか。或いは、そもそも、こういうの、説明要らないでしょ?ということなのか。

 まぁ、聞き方としては後者なんですが。でも、確かに、そんな感じで聞いていて、取り敢えず楽しめてしまうのではあります。というか、難しいこと考えられないというか。
 コルネリウスの歌曲集、前半はその名の通りクリスマスの歌曲集。一方、後半は、クリスマスと直接関係はしないのですが、聖歌のメロディに基づいた歌曲集。どちらも落ち着いた感じのいい曲集ですが、どちらかというと、後者の方が荘重な感じでしょうか。前者は、やはり宗教的な中にもクリスマス、という感じのほの明るさがあるかな、と。

 それを雰囲気よく歌い上げるのがプライであります。やはり、この声はいいなぁ。言ってしまえば「暖かみの感じられる云々」みたいなことになりますが、やはりこの深みのある柔らかい声はいいなぁ。
 ちょっと日本人的な感覚での「クリスマスソング」ではないですね。プライには、もっとポピュラーな歌を集めたDVDもありますが、実際のキリスト教に裏打ちされたクリスマスの歌、というのは、こういう感じなのだろうなと思うのです。

 1971年の録音。初CD化なんだそうです。




ドイツ学生の歌 (8/22)

ドイツ学生の歌 大全集
 エーリッヒ・クンツ (bariton)
 ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団、男声合唱団
 フランツ・リトシャウアー (conduct)
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団/男声合唱団
 アントン・パウリク (conduct)
 VANGUARD CLASSICS/コロムビアミュージックエンターテインメント COCQ-84365-68

 ドイツ学生の歌、という題のCD4枚組セットです。歌うはエーリッヒ・クンツ。いや、前から折に触れ聞いているのですが、取り上げてなかったんですね。

 このCDセット自体は比較的最近再発されたものですが、この録音自体はかなり古いものです。そりゃ確かに、レーベルがVanguard Classicsで、歌っているのがクンツですから、古いのも道理。遺憾ながら具体的な録音データが載っていないのですが、4枚組の内1枚がモノラル。残りはステレオ録音とはいうものの、録音年代は推して知るべし。ほぼ半世紀前の録音と見ていいんじゃないかと思います。
 エーリッヒ・クンツの独唱といいながら、こういう歌集ですから、合唱が入る曲が殆どです。とはいえ流石に名歌手クンツ、こういう歌でも丁寧で上手。
 ちなみに、フォルクスオーパー管は、その名の通り。国立歌劇場管は、録音契約の関係でこの名を使っていると言われていて、実態はウィーン・フィルに近い内容だったらしいのですが、まぁ本当のところはよく分かりません。でも、演奏自体はこういうものにしては御立派なのは事実です。

 ドイツの学生歌、というのは、それ自体が一つのジャンルを形成しているのだそうです。17、8世紀くらいにはその伝統が築かれていたそうで、学生組合が行事の折に、或いは何かにつけての宴会の席で皆で歌われた歌、ということらしい。まぁ、古今東西、学生なんてものの考えることは大差無いのでありましょう。
 そういうものなので、いわゆる民謡なんかとはまたちょっと違う。勿論、その中には、シューベルトの「菩提樹」とか、「ローレライ」みたいな歌も入っていて、これらは一方では民謡みたいな顔をして歌われていたりもするので、親和性は高いのではありましょう。
 高歌放吟は世の常とは申しながら、日本ではこういうのはあまり無いのかも知れません。旧制高校の寮歌だとか、琵琶湖周航の歌だとか、ああいうのが強いて言えばあたるのかな?
 正直、旧制高校の寮歌とかを聞いても、「いい」とか「懐かしい」というようには思わないのですが、この「ドイツ学生の歌」、歌詞の意味がよく分かってないのもあってか(笑)、民謡を聞くような感覚で聞いているのであります。こういう歌の方に却って親しみを感じてしまうというのも、妙と言えば妙なんですけどね。




クリスティアン・ゲルハーエルのシューマン歌曲集 (7/12)

Melancholie Lieder von Robert Schumann
Melancholie op.74-6 / Liederkreis op.39 / Lieder (nach H.C.Andersen und A.v.Chamisso) op.40 / Sechs Gedichte aus dem Liederbuch eines Malers, op.36 / Gesaenge des Harfners aus, op.98a / Tief im Herzen trag' ich Pein, op.138-2 / Der Einsiedler, op.83-3
 Christian Gerhaher (bariton)
 Gerold Huber (piano)
RCA/SONY BMG 88697168172

 最近売り出し中、というのはもう失礼ですね、目下上り調子のクリスチャン・ゲルハーエル、RCA RED SEALに移籍後第三弾の録音です。いや、移籍と言っても元々同系列のARTE NOVAからレーベルというかシリーズが変わっただけですからね。ARTE NOVAも最近は随分垢抜けて来たし、まぁ、安くなきゃ売れない新人から本格派に格上げというところでしょうか。
 ARTE NOVAではシューベルトの3大歌曲集で名を挙げたゲルハーエルですが、今回はシューマンの歌曲。リーダークライスの op.39、アイヒェンドルフの詩によるものの方を中心に、他に3つの連作集などを取り混ぜて、全29曲。なかなか盛り沢山の選曲です。

 改めて思うのですが、ゲルハーエル、声が軽いんですね。そういえば、生で聞いた時も、ずしんと来るという感じの声ではなかったしな。声質が、というと、ちょっと違うような気もしますが、どう言うんだろうな、これは。
 歌唱は申し分ありません。20世紀ドイツ歌曲歌唱の標準的な歌い方を引き継いでいます。まぁ、ヘルムート・ドイッチュ、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、エリザベート・シュワルツコップのマスタークラスに出て、なんて経歴を書いてるくらいですし、意識している位のことはあるでしょうが、そう皮肉に言わずとも、確かにそうした系譜の中にいるのでしょう。
 敢えて申さば、もっと声に力があるといいかなぁ。声量とか言うことではなくてですね。あの、目力(めぢから)、なんて言い方することあるじゃないですか。ああいう意味合いでの、力。いい声だし、決して魅力が足りないとも思いません。でも、もうちょっと、掴んで来るような力があってもいいかなぁ.....などと思ってしまうのであります。

 とはいえ、いいCDです。思うに、シューベルトも悪くないけれど、この人はどちらかと言えば、シューマンの方が合ってるんじゃないかという気がします。歌に表現力のある人ですし、その表現自体もよく考えられているように思われますし、こういう人にとっては、シューマン以降の歌曲の方が得意な面をより活かせるんではないだろうか、と思うのです。
 次はどんな録音を出して来るのか?先が楽しみです。




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