ブリテン:「カーリュー・リバー」 (1/28)

B.ブリテン 歌劇「カーリュー・リバー」
 イギリス・オペラ・グループ合唱団
 イギリス・オペラ・グループ管弦楽団
 ピーター・ピアーズ (tenor)
 ベンジャミン・ブリテン (conduct)
DECCA/ユニバーサルクラシック UCCD-3650


 うう、相変わらず忙しい..............(ーー;
 忙しいと、暇な筈の休みの日まで、いろいろあって落ち着きません。CDはねぇ。聞いてるんだけどねぇ。なかなかこうままならないというか.....

 バッハ全集も聞いてはいるのですが、なかなか書くに至りません。先日以来、カンタータを聞いているのですが、いろいろ続けて聞いている内に、音楽に負けるというか、なんだか飲み込まれそうでして。同じではないけれど、基本的には似たような構成の楽曲を百数十も書いてるわけで。部分部分の魅力はともかく、構造とか、何故カンタータなのか、とか、ちょっと考え始めると、もう..........
 ちょっと一度カンタータから逃げ出して、別のもの聞こうかと考えているところです。

 で、そう言いながら、これまたなんだかなぁなものを持ち出してしまいました。

 ブリテンの「カーリュー・リバー」。こないだ、能楽を見に行ったのですが、まぁ、その連想で去年入手していたのを引っ張り出してきました。
 この曲、一応「歌劇」となっていますが、正しくは「教会寓話劇」。つまりは、宗教的な劇ということになっています。内容は、ブリテンが1956年に来日した際に鑑賞した能楽「隅田川」の翻案となっています。
 都にて我が子を攫われた狂女が、我が子を捜し求めて隅田川の畔にまでやってきて、渡し舟に乗る。渡し守が旅人らに問われて答えるに、今日は1年前に人売りに連れられてこの渡しを渡ったが、対岸で衰弱して捨てられ、ついには看病の甲斐も無く亡くなった。その命日が今日で、対岸の人垣はその供養に念仏を唱えに集まった人々だと。まさしくその子こそ件の狂女の攫われし子供。狂女は泣き伏せつつも、周りの人に助けられて念仏を手向けます。すると、子供の霊が現れますが、狂女の呼び掛けも虚しくすぐに霊は消え、後にはただ供養の塚が残るのみ........
 というのが「隅田川」ですが、「カーリュー・リバー」も、ほぼ同様の展開で進みます。土地が中世のイングランドであること、勿論唱えるのは念仏ではないこと、そして、霊は虚しく消えるのではなく、宗教的な救いを顕して消えて行くこと、などが違いでしょうか。

 実際、この違いは、最後に宗教的救いを顕すところがまったく異なります。まぁ、教会寓話劇である以上自然ではあるのですが、考えようによっては能楽の方がよほど現代的結末かも知れません。

 音楽としては、まぁ1964年の作ですから、そう考えるとよほど聞きやすい「現代音楽」です。一部で聖歌が使われたりしていることもあり、異色作ながら聞きやすいかも知れません。
 フルート、ホルン、ヴィオラ、コントラバス、ハープ、打楽器、オルガンの7人によるアンサンブルと、声楽。そういう意味では音はシンプルです。フルートの使い方が何処か邦楽に通じているようで、そういった点も、いわゆる「ゲンダイオンガク」らしからぬ聞きやすさを感じさせるのかも知れません。
 もう一つは、物語の分かりやすさでしょうか。「分かりやすい」とは語弊があるかも知れませんが。上記の物語に、最後は子供の霊が現れ、母に対し、いつか天上で会えるであろうと、神が共にあるであろうと示して消える、というストーリーは非常にわかりやすい。ただ、元が能楽でもあり、「教会寓話劇」であるが故に、全編男声しか出てこないので、「狂女」がテノールというのが違和感はあるかも知れませんが。

 決して人気のある曲ではありませんし、上演機会も少ないですが、短いというのもありますから、実はブリテン、特に彼の歌劇入門にはいいかも知れません。って、みんなこんな感じというわけではないですけどね......

 ブリテン/ピアーズのコンビによる演奏ですから、相応に古いですが、決して遜色は無いと思います。録音もそうはないですしね。




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