武満徹 室内楽作品集成 1 (5/29)

武満徹:室内楽作品集成 1
妖精の距離 / 悲歌 / 十一月の霧と菊の彼方から / 揺れる鏡の夜明け / 犂 / ア・ウェイ・ア・ローン

 清水高師 (violin)
 小賀野久美、藤井一興 (piano)
 上村昇 (cello)
 アルディッティ四重奏団
 フォンテック FOCD9226

 武満に限らずそうなのですが、ついでに言えばこないだ書いた話にも通じるのですけれど、現代音楽に関しては、どうも、大規模な管弦楽などよりは、室内楽の方が取っ付きやすいのではないか、という気がします。あくまで「気がする」だけで、極めて個人的な感想なんですけども。
 多分、管弦楽とかは、複雑すぎるんですね、私には。現代の作曲家は、作品を書くに当たってはかなり自由度が高いですから、使おうと思えばどんな楽器でも使うように指示出来るし、どんな音の積み重ねを連ねることも許されるし、楽曲構成なども縛られることはない。勿論、それが良さなのだ、ということでもあるのですが、そのように音楽の枠を拡げることが、複雑さを増す方向に行っているのは確かです。それでも勿論そうした音楽を受け取ることは可能なのですが、人によっては - 私のように - 聞く側にとっての負担が増している、と感じないこともないかと思うのです。
 平たく言うと疲れちゃうんですね。ま、もっとも、ブルックナーとかだって長過ぎて疲れちゃう、てなことはあるので、現代音楽に限った話じゃないだろ!と言われると一言も無いのですが(苦笑)

 武満徹は日本人作曲家としても、現代作曲家としても、異例の人気を保っている、と言っていいと思います。確かにこの人聞きやすい音楽も多くて、人気あるのもうなずけるんですよね。でも、やっぱり、聞き疲れるとかいうのは、それとはちょっと別の話で、あるにはあるのです。
 そういう意味で言うと、確かにこの室内楽だって、疲れるには疲れます。とっても取っ付きやすい、というわけではないと思います。でも、やっぱり、編成としての簡潔さが、聞く側にとっての受け取りやすさの一因になってるのではないかな、と思うのです。調性感こそ曖昧なものの、決して突拍子も無い音楽にはならない安定感や、武満特有の「音の少なさ」とも相俟って、そうした印象を受けるのかも知れません。そういえば、武満の音楽にはアレグロな音楽が比較的少ないのですが、ここに入っている作品、急テンポのものは少ないですね。そうしたこともありますね。きっと。
 このCDの中では、ピアノとチェロの為の作品で、ORION <犂> という作品が収録されていますが、これなんかが今の所一番気に入っているかな。どちらかというと気難しい風で、決して親しみやすい顔をした音楽ではないのだけど、気が付くと聞き入ってしまうというか引き込まれているのに気付く、そんな音楽です。ちなみに、なんでORIONなのか、聞いている限りではすぐに合点が行くという訳ではありません。武満の表題付き音楽は、存外、「なんでそういう表題なのかよくわからない」というのが少なくないのでは。でも、そういうこととは別に、「ああ、これは"夜の音楽"だな」と感じさせるものがあります。矛盾してるようですが。




プロフィール

verdi

Author:verdi
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2ブックマーク
FC2カウンター
118,000アクセスくらい+
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード