シュワルツコップ/リート・リサイタル(3/20)

シュワルツコップ/リート・リサイタル
 エリザベート・シュワルツコップ(soprano)
 ジェラルド・ムーア(piano)
東芝EMI TOCE-3028

 昔からの愛聴盤であります。
 シュワルツコップは、今でも存命ではありますが、私がクラシックを聞き始めた頃には既に引退していました。ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウの10歳上で、この両名が今のドイツ・リート(歌)歌唱の礎を築いたといっていいと思います。
 が、まぁ、そういう肩書きは別にして、一人の歌手として優れた人でもあるので、いずれの録音も古いものながら、繰り返し聞くに耐えるものです。これはその内の一つ。全部モノラル録音で、1953年に組まれたアルバムだとか。まぁ、大体がその頃の録音だと思います。

 いうなれば「ドイツ名歌曲選集」みたいな企画の走りなんでしょうか。この年代はLPが出来てすぐで、それまでのSPでは頑張っても1枚に4曲程度しか入らないので、こういう企画はLPならではないかなと。
 選ばれているのはバッハ、グルック、モーツァルト、ベートヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフ、R・シュトラウス。全てが有名曲ばかりというわけでもないですが、いい曲が入っています。そしてまた過不足無くドイツ・リートの代表的な作曲家を拾っていて、それがまたいい。ここに欠けているとすればマーラーですが、ピアノ伴奏でマーラーを入れても仕方なかったのでしょう。
 今は、特にクラシックの世界では、「アルバム」という考え方は本当に失われつつあるけれど、丁度(和洋を問わず)ポップスの世界ではまだそうであるように、「アルバム」という単位で音楽を考えることが普通だった時期があったと思います。今ではこういうCDはなかなか出しにくいと思うけれど、こういう形で一つの完成形とした時代もあったということかと。

 ブラームスからは3曲歌われている内、2曲までが民謡の編曲集から拾われています。かなりブラームスによって手が入っているものですが。その一つ、「あの下の谷の底では」という曲。曲想は静かなる抒情溢れるいいもので、でも実は詞の中身は結構どろどろな(笑)というものですが、これを歌うシュワルツコップの表現が大変良いのです。あまり詳しく説明してもつまらないので省きますが、言葉とは裏腹の情感のこもった歌に、淡々と見守る風のムーアの伴奏が思いもよらぬ情景を描き出す、というもの。
 まぁ、これは本来の曲にあるべき姿じゃない、って話になるかも知れませんが、承知で言えばそれでもいいじゃないか、と。これはこれで優れた音楽家としての一つの表現の回答ではないかな、と。
 もう一つ、こちらは人口に膾炙しているけれど、シューマンの「くるみの木」も良いです。これも、それこそずっと昔から愛唱歌集みたいにして親しまれているけれど、こちらは言わば模範演奏。本当はこの曲の歌詞は"めるへん"というか少女趣味的な内容ではあるのですが、幸いにして(^^;ドイツ語聞けばすぐ分かる、という身で無いだけに、耳に残るのは風にそよぐ木の葉の如き伴奏と、風に揺れる揺り篭の様な歌声。まぁ、そういう楽しみ方もありかなと。

 他にも、バッハの「御身が身近におられるなら」とか(これは他に録音も決して多くない、得がたい名唱)、モーツァルトの「夕べの想い」とか、その他も含めて結構な歌が入ってます。愛聴盤たる所以であります。





AUTHOR: 丘 URL: http://ameblo.jp/crest-my7/ DATE: 03/21/2006 09:37:58 こんにちは。シュワルツコップ、懐かしい名前です。今も存命でしたか。
なんだか遠い昔の名ソプラノ歌手のイメージになってしまって・・・・。
いつの録音か分からないですが、ギーゼキングの伴奏でモーツアルト歌曲集を
一枚(LP)持っています。久しぶりに聴いてみたくなりました。

以前、大ミサのガーディナー盤で、「シルヴィア・マクネアーとモンタギュー」
2人のソプラノ歌手のどちらがEt incarnatus estをうたっているのか?という
コメントを頂いていましたが、これ、私にも分からないですが、最初に書いて
ある方(マクネアー)が多分そうではないか、と勝手に想像しますが・・・。

コメント

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SIGさん、こんにちは^^
確かにシュワルツコップ、いい声してますものね。
シュワルツコップというと薔薇の騎士とかフィガロの結婚とかがすぐに挙げられるんですけれど、個人的にはこうした歌曲での方が本当は好きなんです。
女声歌手のお約束の録音で、「愛唱歌集」みたいなのがあります。古くはガリ・クルチとか、要は今みたいに録音が氾濫する以前、録音自体が貴重だった頃の結構本音ベースでのお楽しみ、という感じだと思うのですが。
今はそういう録音って少なくなってしまって、鮫島有美子がそれでもそういうのを出していたりするけれど、そんな中ではシュワルツコップはそうした感じの録音を多数出していて、結構お気に入りだったりします。


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