ことのついでに「トゥーランドット」(4/1)

G.Puccini "Turandot"
 Eva Marton, Katia Ricciarelli (sorano)
 Jose Carreras (tenor), etc
 Wiener Saengerknaben
 Chor & Orchester der Wiener Staatsoper
 Lorin Maazel (conduct)
CBS/SONY M2K39160


 春ですね~。今日から4月であります。

 こないだ「誰も寝てはならぬ」の話を書きましたが、ことのついでなんで「トゥーランドット」自体ももうちょっと真面目に書きましょうか。いや、ま、粗筋なんてあんなもんなんだけどさ。

 プッチーニというのは、メロディ命の人ではありますが、結構ムラがあったりします。含有率っていうのかな、いいメロディの。トゥーランドットは結構含有率が高いです。実は中国音楽の旋律から沢山借りて来てるんだよね、という話はあるのですが、それにしても、その処理の仕方は秀逸。実際には未完の作品ですし、最後を完成させたのは弟子のフランコ・アルファーノという人ですが、これも無難なりによくまとまった出来です。オペラとしてはいい感じ。というわけで、個人的には、いいメロディの含有率の高さ、加えてその処理の仕方、何よりキャッチーに処理されている点から、ボエームと並んで最高傑作の一つと思っています。プッチーニは歌を聞け。歌を聞くならトゥーランドット。

 で、「誰も寝てはならぬ」に行くわけで、それはそれでとっても正しい話なのですが、そればっかりじゃ仕方ないので、他にもいい旋律はあるのです。というより、「誰も寝てはならぬ」はこのオペラで最高の瞬間ではないと思っています。カラフじゃないんですよ。トゥーランドットでも勿論無い。

 実はこのオペラ、カラフとトゥーランドットという二人の対決の影に隠れて、脇役が一人います。リュー。カラフの父、ティムール(先のタタール王)が敗れ流浪の身となった時、ただ一人付き従った女奴隷。カラフに恋心を抱きつつ、忠誠を誓い主君の勝利・自分の秘めた恋の破綻をこそ願うという、まぁいい役でございましょ?
 プッチーニは、この麗しい役柄に、最高の歌をあてがいました。第1幕、トゥーランドットに一目惚れして、後先考えず「クイズに挑戦だぁ~」と勢い込むカラフを泣いて止める歌「ご主人様、お聞き下さい」。これも佳曲ですが、更に、第3幕、北京人民らにカラフの名を白状せよと拷問に掛けられ、耐え切れず死を覚悟して歌う「氷のような姫君も」。このニ曲は、トゥーランドットのそれに比べれば小曲ではありますが、ソプラノのアリアとしては素晴らしいものであります。
 が、本当に素晴らしいのは、その3幕のアリアの直前。人民に捕まり引き出され、拷問に掛けられてもカラフの名を白状しないリューに対し、トゥーランドットが尋ねます。「何がお前をそうも堅固にしているのか?」と。それに対し、リューが答えます。「それは愛です。私の秘められた愛あればこそ。拷問を受けても、その名を答えないことで、私は彼に、あなたの愛を差し上げられるのです。たとえその成就により、私は何もかも失うのだとしても!」うう、なんて健気なええ娘や....(/_;)
 この場面に、プッチーニは本当に綺麗な、このオペラの中でも最も美しいと言える音楽を与えています。素晴らしく繊細で美しいメロディ、優しげな弦合奏。プッチーニが書いた中でも最高の一つかも知れません。これ、一応、レチタティーヴォってことになるんですね。アリアじゃないんです。でも、そういうのとは無関係に、いい。

 役柄的には脇役なんですが、ここにいい人を持ってこないと実はこのオペラ締まりません。

 全曲盤も沢山あります。「トゥーランドット」の名盤としては、他にも幾つもあるのですが、敢えてここは今聞いて楽しめるディスクをということで、このCD。1983年、ウィーン国立歌劇場でのライブ録音。若き日のカレーラスはこういう役柄にぴったりです。若々しく、勇敢で、でもバカで、愚かでもあり。何よりあの声!エヴァ・マルトンはこの役を当たり役としたソプラノ。指揮はロリン・マゼール。ちょっとあざとい感じも出したりして、ウィーン国立歌劇場のオーケストラをうまいこと使ってます。
 そして、リュー役に若き日のカーティア・リッチャレッリ!ゴージャスな声、だけれど美声。繊細、というのとは少し違えども、いい声です。


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