ストコフスキー編曲のムソルグスキー"展覧会の絵"他(4/24)

M. Mussorgsky / Transcriptions by L. Stokowski
"Pictures at an Exhibition"
"Boris Godunov" - Symphonic Synthesis
Entr'acte to "Khovanshchina"
Night on Bare Mountain

 The Cleveland Orchestra
 Oliver Knussen (conduct)
Deutsche Grammophon 457 646-2

 レオポルド・ストコフスキーの名を知る方は少なくないでしょう。20世紀中盤を代表する?名指揮者の一人です。一般には、派手であざとい音楽をやる人、って思われるんでしょうか。
 この人、編曲がお得意で、バッハの「トッカータとフーガ」の管弦楽版なんてのは聞かれた方も多いのでは。
 で、この人、ムソルグスキーもいろいろ編曲してたんですね。
 まぁ、そもそもが展覧会の絵、一部では管弦楽曲のつもりの方も居られるようですが、これ、元を糺せば、ムソルグスキーがピアノ曲として書いたもの。一般に流布しているのはこれをラヴェルがオーケストレーションして管弦楽版に仕立てたもの。オリジナルではないのです。個人的にはピアノ版の方が好きだったりしますが、ラヴェルのオーケストラ版もそれはそれでよし。
 とはいえ、元はピアノ曲だから、他の人が編曲してみてもいいわけで、割と知られているのがこのストコフスキー版とアシュケナージ版。どちらも編曲者による録音を聞いたことはありますが、あまり印象に残って無いんです。

 で、時の流れに身を任せ、ラヴェル版の奔流の中に埋没して行くかと思われたこのストコフスキー版を蘇らせたのが、アメリカだったかな?の現代作曲家、オリバー・ナッセン。はっきり書いてないのですがストコフスキーと何か縁があるようなないようなのですが、いやしかしクリーブランド管でこれを録音していたとは、いやはや。録音するDGも凄いけど。

 ラヴェル版は、管楽器、特に金管楽器を中心に「映える」オーケストレーションというイメージがあるかと思います。「亡き王女のためのパヴァーヌ」の管弦楽版なんかに見られる、華のある、音色のコントラストが前面に出るような感じ。逆に、弦は目立たないんですよね、それほど。

 ストコフスキー版は、一口で言うと弦の厚みが身上。「展覧会の絵の冒頭曲"プロムナード"は、トランペットがファンファーレのように晴れがましく鳴り響いて展覧会への期待を表すかのように」云々、なんて解説がありそうですが、この冒頭からしてヴァイオリンにテーマを奏させ、それに応えるかのような繰り返しは弦楽合奏。渋い。でもまぁ考えてみりゃ展覧会でトランペットでお出迎え、って、変といえば変。
 以下、弦楽器が大活躍。管楽器が使われないわけではないけれど、弦楽合奏をはじめとして、しっかりと主旋律を奏でるというのが基本にあるみたいです。そう言われれば、ラヴェルのオーケストレーションは華やかだけれど、全ての曲ではないにせよ音色で勝負!みたいなところはあります。次々と繰り出される楽器の競演、とまでは言いませんが。それじゃボレロですからね。そのへん、あくまでオーケストラの指揮者であったストコフスキーの面目躍如、ってことなのかも知れません。そういえば、バッハの編曲も、オルガン曲なのに弦楽器がしっかり鳴っていたような。
 他に面白いところでは、"ブイドロ"、牛車ですね。とても速いです。重苦しい感じではない、見ようによっては重そうにそれでも力行する牛車の描写と言えるかも知れません。そういえば、ピアノ演奏では、存外この曲テンポは緩めずに弾く人が多い筈。そういう点では、このストコフスキーの編曲、ラヴェルと比べて決して原曲を疎かにはしていないと思います。オーケストレーションするんだから、と、原曲の雰囲気はあるけど、オーケストラの音色を一杯に使いまくったラヴェル。原曲の主題、曲想をオーケストラで拡充することに腐心した感じもするストコフスキー。
 ちなみにテュィリュリー公園とリモージュの市場は「フランス的過ぎるのだろう」ってことで省かれています。で、後半カタコンベ以降は、ストコフスキーらしく、落差の激しいダイナミクスを伴う内容で、まぁ言ってみればストコフスキー節炸裂。最後のキエフの大門なんて凄いですよ。いいステレオで低弦がガンガン唸るのを聴いてやって下さい(笑)

 残りの、ボリスやホヴァンシチーナも面白いですよ。




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