年寄りの昔話:或いはデル・モナコのアリア集(5/20)

MARIO DEL MONACO VERDI ARIAS
 Mario del Monaco(T), etc.
DECCA 421 868-2


 長年聞いていなかったCDが久しぶりに出てきました。学生時代以来寝てたんですね。
 デル・モナコをそんなに長いこと聞いてなかったかというとそんなことはないので、ただ、デル・モナコはオペラの全曲版正規録音は持ってるし、その後デル・モナコ大全集というベタな全集ものが出たので、このCDは聞いていないまま埋もれてたんですね。本当にタイムカプセルのよう。久々に昔のことを思い出しました。

 自分が学生の頃は、何故か教養課程のゼミで「音楽を聞いて話をする」みたいなのがありまして、それが専門でもなんでもないのに何やらハードな議論を散々っぱらやらされました。
 まぁある意味幼稚な話なんですが、音楽の話で、「これは暗いんだけど、でも、何処かしら明るさみたいなものがあって...」みたいな話をしたら「明るい/暗いってどういうことだ」てな調子でボコボコに叩かれまして。
 ええとね、哲学論議じゃないんですよ。ただ、なんて言うのか、それじゃわかんねーから表現をちゃんと考えて詰めないとダメじゃん、みたいなもんでしてね。それにしちゃしんどかったですよ。みんな若いからねぇ。遠慮も会釈も無い。ただ、まぁ、なんでだったのか、信頼感はあったんでしょうね。相手を理解してやろう、という気持ちを持ち続けてやってたから、続いたんでしょうね。まぁ、それってコミュニケーションの基本なんだけれど。それこそそんなくだらない事で朝まで平気で喋くってましたっけ。誰かの下宿に集まってあれやこれやと聞きながら。行き詰ると、まぁ取り敢えず今日はお開き?とか言いながら、誰かの車で、家まで帰る奴を深夜送迎しつつドライブ。このCDかけながらみんなで歌ってたりして。後ろに付いた女の子二人組みの車がゲラゲラ笑ってるのがバックミラーで見えたりして。インターネットはおろかパソコンすら普及する前の話。パソコンがあっても、WINDOWSじゃなくてDOSが当たり前の頃。パソ通にワープロ機で入れたりしてた頃。

 今の学生はどうなんでしょうね。よくは知らないけど。数年前、昔の専門ゼミの関係で、当時の学生とちょっと関わったことがあります。その時の印象は..........みんな、自分の意見は、言わないんですよね。無いのかも知れないけど、受け入れられないことを極端に恐れるような。一部の人がそうであるだけかもしれませんが。その可能性は高いとは思うけど。若いうちからインターネットが当たり前にあって、自分の意見ってなんだ、とか、じっくり考える間も無く自分を守る術と他人を叩く術をとにかく身に付けて、なのかな。みんながみんなそうではないだろうけど。
 短い警句を吐くことに長けても、裏にある自分の考えを開陳することは出来ないし、それを磨くことも、限界を知ることも難しい。いやいやそうではなくて、ちゃんとそういう場もあるんですよ、ってことなのかも知れないけれど。やりにくい時代なんだろうな、という気がちょっとします。

 音楽の話になりませんでした。下らぬ昔話です。放言御容赦。
 懐かしいのは、昔散々聞いたから。ヴェルディのアリアばかり集めたCDです。マクベス、ルイザ・ミラー、椿姫、アイーダ、リゴレット、エルナーニ、仮面舞踏会、運命の力、トロヴァトーレ、オテロ、第1回十字軍のロンバルディア人、アロルド、二人のフォスカリ、アルツィラ、群盗。いやまぁよくもこれだけ集めたものよ。類似のCDでは、ベルゴンツィが3枚組みに収めたのがありましたが、これもそれに勝るとも劣らない濃いCD。
 選曲が渋いんですよ。元々、2つの時期のアリア集に、全曲版からの抜粋を合わせて全17曲としているのですが、上に挙げた全演目、何某か聞いたことがあるという人はきっとマニアです(笑) 私だって全部持ってはいるけど、群盗なんか通して聞いたこと無いもん。それに、例えばオテロの場合、収録されているのはアリアではなくて"Niun mi tema"、つまり最後の大詰め、オテロが自害するところのモノローグ。何でだ(笑)微妙に、時々、変なんです。アイーダやリゴレットやトロヴァトーレは、まぁ普通なんだけど。
 デル・モナコは、ええですよ。音楽的にもっとうまい人、声のいい人、ってのはいると思いますが、「歌手」としては、やはりデル・モナコは最高です。暗めで深みのある声色(「暗め」ってなんだ(笑))、輝かしい高音、テンションのある声と気持ちのいい歌い回し。なかなかこうは行きません。
 自分は生では観ても聞いてもいないんですけどね。でも、CDで聞く時、やはり何度聞いてもこれは飽きないんです。いつまでも聞き続けるに足る。まぁ、騙されたと思って一度どうぞ...........








AUTHOR: preludio DATE: 05/28/2006 07:25:13 熱い議論を戦わせる‥‥って昔のことなんでしょうか。
お酒を飲みながらだったり、しらふだったり。
確かに、居酒屋に行って、今の子たちの様子を見ると、
ただ騒いで笑っているだけのようにも見受けられますね。
ロックについて、
映画について、
自分が学生の頃は、熱い議論に憧れたりしてましたけど、
今は熱く語る行為自体が「ダッセー!」のかもしれませんね。
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