エリザベート・シュワルツコップ(8/27)

R.シューマン Liederkreis op.39, Frauenliebe und Leben op.42
 エリザベート・シュワルツコップ (S)
 ジョフリー・パ-ソンズ(p)
東芝EMI TOCE-3029


 エリザベート・シュワルツコップが亡くなったそうです。享年90歳。1915年の生まれだとか。

 3月にもシュワルツコップの歌曲のCDについて書いたのですが、シュワルツコップというと「バラの騎士」の元帥夫人とか、「フィガロの結婚」の伯爵夫人とか、そういう役柄でのイメージが強いです。でも、自分のように後から録音で知った身で言うのも妙ですが、やはりシュワルツコップというとリート歌いのイメージなのですね。言ってみればフィッシャー=ディースカウと並ぶドイツ歌曲の中興の祖とでも言うべき存在。

 ただ、ディースカウが、シューベルト歌曲全集などのような、目に見えてまとまった形で成果を遺したのに較べると、シュワルツコップはちょっと微妙なところがあります。分かりやすい形があまり無いんですね。加えて、比較的強い印象を残しているのが、R・シュトラウスやヴォルフなどの歌曲でして、これ、決して悪いのではないけど、「シューベルト大全集!」みたいなインパクトは無いんですね。それに、女声の場合、優れた連作歌曲集で女性向というのが決して多くないという事情もあります。
 今でこそ多くの女声歌手が、シューベルトの「冬の旅」などを録音したりしてますが、一昔前まではそういうことは無かったですしね。ちなみに、個人的には、女声の歌う「冬の旅」はやっぱりしっくりきません。詩の内容をある程度知っている以上、違和感は拭い切れない。これ、結構でっかい問題なのでここまでに留めますが、これは決して不当に女声を貶めることにはならないのだと心得て頂きたく。

 シュワルツコップの話でした。
 シュワルツコップの録音は、EMIに多く残されていますが、先に書いた通り、「××全集」のような録音はあまりないのですね。日本盤では単発でアルバムとして出されているのが沢山あるのですけれども。
 その中で好きな録音はというと、いろんな歌曲を集めたものがありまして、これが一番なのだけど、前に書いたような気もするし。ということで、今回は最晩年に近い録音から。
 シューマンの歌曲集、リーダークライス op.39 と Fauenliebe und Leben (ドイツ語で申し訳ないけど、日本語訳だとどうもジャンクTBが付くようなので) op.42。1974年の録音です。このライナーによると、この2年後に引退することを表明していたそうで、てことは1976年に引退してるんですね。亡くなるまで30年。でも、この時点で既に引退目前だったわけです。

 リーダークライスは、曲によっては、男声が基本かな?というものもありますが、概ねどちらでも支障ない曲集です。この曲、実演では意外と歌われる機会は多くはないのですが、録音については名演が多いです。日本だと、シューベルト歌ってくれ、ってなりますしね。
 シュワルツコップ、面白いです。ええと、美声といえば美声だけど、いわゆるソプラノとしてのいい声には聞こえないんですよね、この人。特に後年の録音だからというのもあるけど、この感じはむしろコントラルト的。高低と言うよりは声色が、ですね。発音は、まぁ私は云々出来ませんが、曲によりけり。歌としては、そうですねぇ、例えばナタリー・シュトゥッツマンあたりと比べると、やはり古い感じはあるでしょうか。
 面白いのは、たとえば5曲目の「月の夜」。ずっと、拡がっていくような予感を感じさせながら、拡がりきらずに収束していく、そんな感じの曲ですが、彼女の声の「コントラルト的」な感じが、余裕を持ちつつ陰翳を描き出していて、良いです。シューマンの場合、歌手の表現力に依存するというか、任されている部分が結構あって、良くも悪くもその出来具合が全体を左右してしまう面が若干あるのですが、そういう意味ではシュワルツコップは万全でしょう。

 シュワルツコップについては、また書きたいですね。





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