色気よりクイケン......................のモーツァルトVn協奏曲(10/19)

....ああっ、石を投げないでぇ~........""""""""(;><)/


モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
 寺神戸亮 (ヴァイオリン)
 シギスヴァルト・クイケン (指揮・ヴァイオリン)
 ラ・プティット・バンド
DENON COCQ-84188-90

 今度はモーツァルトと、実はアイドル繋がりで..........

 スメタナ弦楽四重奏団がアイドルであるように、聞き始めの頃好んで聞いていたヴァイオリニストがハイフェッツであります。要は、当時LPで安価に出ていたシリーズで、ヴァイオリンと言えばハイフェッツだったということなのですが。私は元々あまりヴァイオリンには深い興味は無くて、ハイフェッツで協奏曲やらなにやら、一通りは聞いたというわけです。
 基本的にはハイフェッツはロマンティストなんですね。あくまで個人的印象ですが、ピアノで言えばホロヴィッツにあたるのがハイフェッツ、というところなんじゃないでしょうか。ロマンティストでアクが強くて、聞けばすぐに「ああ、あの人?」と分かってしまうような。何を弾いても自分の音楽になってしまう。手に触れるもの皆黄金になってしまうという伝説のミダス王のような音楽家。
 そういう人の演奏でヴァイオリンを聞き始めたわけです。メンデルスゾーンでもチャイコフスキーでも、ブラームスでもベートーヴェンでも、モーツァルトでさえも、ハイフェッツから。
 ところがハイフェッツの演奏したCDは、実は殆ど持ってません。RCA系はもうひとつハイフェッツの再発に不熱心で、国内盤でも少々中途半端な値段で幾つか録音が出てるだけで、それすらあまり見掛けません。こちらもたまに聞きたくなるけど、そんな調子だし、まぁいいや、と、ついなってしまうのです。

 モーツァルトの協奏曲。ハイフェッツの演奏は、かなりロマンティックというか、化粧の濃い、色のはっきりした演奏だったと思います。ヴァイオリン独奏が前に出てきていて、この音色を聞け!みたいな。昔のことなので印象違いかも知れませんが、まぁ私の中ではそんな感じ。で、そういうイメージが強くて、でも、そういうスタイルだとついロマン派に行ってしまうので、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲はあまり聞いてないんですね。

 このCD、クイケン率いるラ・プティット・バンドによる演奏で、廉価再発と相成ったもの。今年再発なのですが、その割に実はモーツァルト記念年企画では無いという、商売っ気あるんだかないんだかよく分からない話で。
 かつてハイフェッツで聞いたのは4番と5番のカップリング。5番は寺神戸が、4番はクイケンが独奏しています。

 協奏曲というのは、モーツァルトの頃には、独奏楽器が前面に立って、伴奏の合奏団を背景に一つ妙技をお聞かせしましょう、という曲になってます。たまたま独奏楽器があるけどメインは合奏、というようなスタイルとはちょっと違います。ハイフェッツはその極端な例でしょう。
 そこいくと、この演奏は、まるでディヴェルティメントの一曲を聞いているよう。独奏があまり激しく自己主張しないんですね。特に、4番の方はその傾向が強いです。

 このCDの帯に曰く「スーパー・ソリスト対ヴィルトゥオーゾ・オーケストラで丁々発止とやりあう「競争曲」のCDはそっと脇に置いて、本当の「協奏曲」の演奏を楽しんでみませんか」だそうですが、お生憎様。本当の協奏曲とはやはり相応に丁々発止とやりあわないといけないのが本来です。そうすることで、コンサートでの楽しみを提供することが出来たのだから。モーツァルトが書いたヴァイオリン協奏曲は5曲、それも若年の時にしか無いのは、必ずしも偶然だけではありません。27曲もピアノ協奏曲が書かれたのは、言葉通りの意味でピアノが「モーツァルトの楽器」であったからなのです。

 というところからすると、確かにこの演奏、音はいいけどヴァイオリン独奏はやや埋没気味です。じゃそれがいけないかというと、まぁそれはそれとして、取り敢えず「邪道」にしても、なかなかいい演奏です。協奏曲としては欲求不満が残る演奏ですが、独奏の入ったディヴェルティメントとでも見れば、質のいい音楽が展開されます。
 いわゆるピリオド演奏ですが、流石にこのクラスになれば、不安定な所もありません。いわゆるノン・ヴィヴラートではあるけれど、一部の勘違い演奏と違って音楽がぶつ切りにされることもありません。音程もしっかりしています。こうなると、透明感のあるこの種の演奏は確かに聞いてて気分がいい。

 5番の「トルコ風」も有名で、こちらもいいですが、個人的にはこういう演奏であれば4番の方が好みです。ハイフェッツのロマンティックに歌いまくる印象の演奏も色気たっぷりで良かったと思うのですが、まぁこれはこれで悪くない。聞いて「ああ、今日はヴァイオリンを聞いたな」と思うタイプの演奏ではないけれど、合奏と独奏が音色的にも合って一体として聞ける。色気は無いけどクイケン率いる合奏団の地力で聞かせるという..........色気よりクイケン...........................




AUTHOR: Niklaus Vogel URL: http://yaplog.jp/niklausvogel/ DATE: 10/20/2006 02:21:24 Verdiさん、こんばんは!
この録音は聞いたことがありませんが、Verdiさんのおっしゃることは容易に想像がつきます。(今年のクイケン&ラ・プティト・バンドの来日公演に行きました。)
さすがにモーツァルトとなると物足りないと想像しますが、バッハはとてもすばらしいと思います。(ただしラ・プティト・バンドの初期の録音ですので、当時と現在ではいくぶん演奏の指向性が異なるように思えますが…。)
バッハのヴァイオリン協奏曲、特にBWV1043は、合奏協奏曲としての美感を遺憾なく発揮した名演でありました。(このコンチェルト・グロッソの概念をモーツァルトにまで適用しているのでしょうね…。)
バッハでこれだけすばらしいのに、ハイドン以降の作品では「?」と思えるものが多くなってしまうことが不思議です。

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