セル/クリーヴランド管のドヴォルザーク「新世界」 (11/17)

A.Dvorak : Symphony No.7 in D Minor, op.70 / No.8 in G Major, op.88 / No.9 in E Minor, op.95 / Carnival Overture, op.92
B.Smetana : Overture to "The Bartered Bride" / String Quartet in E Minor "From My Life" (Orchestration by G.Szell)

 The Cleveland Orchestra
 George Szell (conduct)
SONY CLASSICAL 517495 2


 突然ですが、100回聞いたことのある曲って何曲ありますか?100回聞いたことのあるCDだったら?
 てな話をなんで持ち出したかというと、こんなことを考えたからなのですね。つまり、自分はどれだけの音楽を聞いてきたか?というような。
 まぁ仮に20年として、毎日欠かさず一日CD4枚分は聞いてると仮定しましょう。4枚で365日は、少々おまけして年間1500枚分。え?それしか聞けてないの?あれまぁ....
 で、20年として、3万枚分の音楽を聞いた、と。同じ曲や同じCDを繰り返し聞いてることはあるんだけど、お分かりの通り私はかなり乱れ聞きする方なので、意外と繰り返し聴いてることは少ない。だがしかし、それにしても.......はて、自分は、「この曲なら100回は聞いた!」と言える曲が何曲あったかな?CDだったら?うーむむむ。

 曲だったら、100回くらい聞いてるよな、という曲は幾つかあります。シューベルトの冬の旅。水車屋は、どうかな。多分クリア?ベートーヴェンの第九は、生で結構聞いてたりするし、多分聞いてる。ドヴォルザークの9番の方も。椿姫は流石に100回は聞いてるよなぁ......後は、どうだろ?
 とまぁこんな調子なので、同じCDでとなると、なかなか無いのです。可能性としていい線行ってそうなのが、ハンス・ホッターの冬の旅と、このセル指揮クリーヴランド管の新世界、というわけなのです。

 この新世界、CD出たての頃、最初に買ったうちの一枚でした。当時は国内盤で。実は最近、スメタナの「売られた花嫁」序曲に、弦楽四重奏曲第1番のオーケストラ版(セル編曲)というレアなアイテムをカップリングした輸入盤が出たのでついふらふらと...........
 なんと1959年の録音です。結構古い。改めて聞くと、ノイズが乗ったりしていて、特に車の中だとちょっと気になるのですが、自宅で聞くと結構スピーカーが良く鳴ってくれて、存外気になりません。そうだなぁ、そういえば昔も「よく鳴ってくれる」のが楽しかったかなぁ。
 私はセル/クリーヴランド管大好き人間なのですが、その原点が実はこれ。確かに、弦がよく鳴るんですよね。よく鳴るのだけど、ちっともバラけたり乱れたりしない。まるで一つの楽器のようにきちんと立ち上がってくる。管も同様。管の良し悪しを言えば、オーマンディー指揮のフィラデルフィア管というのがあって、あれは確かに華やかなんだけど、でも、精度の高さ、つまり、「ここでこう響いて欲しいんだ」という観点から言えば、やはりクリーヴランド管は上を行きます。
 録音のせいもあるけど、弦の全奏で高いところを弾く時、ちょっと緊張感が出過ぎる感もありますが、その程度のことは問題にならない。

 セル/クリーヴランド管は「冷たい」んだ、という話を聞きます。マシンのようで、正確無比だけど、冷たいんだとか。まぁ昔から「ああそうですか」くらいにしか思っていなかったのですが、正直、これが冷たいんだったら今時の演奏は殆ど全部冷凍庫送りだな、と思います。よく揃っているのに、それで汲々とするでなく、表現がきちんと為されている。確かに、甘い音色ではないですけどね。
 思うに、これを「冷たい」で済ましてしまった方達は、例えばもっと音色の甘いオーケストラを好んでおられたのではないかなと。特に一般リスナーの場合、昔は、このクリーヴランド管の弦が、特に低弦が、きちんと聞こえるようなシステムを持てなかったからなのではなかったのかな、と思ったりするのであります。

 新世界と言えば第2楽章、と思われてますが、個人的には全部好き。特に、最初の楽章での弦の充実が素晴らしい。
 ご当地ものでチェコ・フィルの演奏、というのも定番で、それも結構好きではありますが、意外と時々ややこしいこの曲、セルの見事な捌きと、よく仕込まれたオーケストラによる演奏はなかなか良いですよ。

 そういえば、セルはこの曲の演奏で、第1楽章の繰り返しを省いている部分があるのですが、これ恐らくは昔の慣習だと思うのだけれど(確かアンチェルもそうやっていたような)、これで聞き慣れたせいもあるにせよ、やはりこの処理の方がすっきりすると思います。特徴的な冒頭部に戻る前に、取って付けたように「ドン・ジャン・ジャン!」とばかりに一回「終わって」戻ってくる処理は、「正しい」のかも知れないけれど、如何にも野暮ったくて興醒めであります。新しい、正しい形がいいとは限らないぞ、という一例でありましょう。




AUTHOR: Niklaus Vogel URL: http://yaplog.jp/niklausvogel/ DATE: 11/19/2006 21:36:06 Verdiさん、こんばんは!
セル自身の指揮による「わが生涯」編曲盤があることを知りませんでした(私の所有する録音は比較的新しいCHANDOS盤)。
セルのドヴォルザークでは、第7交響曲がとても好きです。辛口にしてにじみ出てくるような情緒がすてきです。私の所有するディスクには「売られた花嫁」から数曲の抜粋が併録されていますが、これまたすばらしい!
なお、「新世界より」の第1楽章の反復に関しては、最初に聞いた録音がバーンスタイン&ニューヨーク、その次がジュリーニ&シカゴであったため、逆にその反復ありに慣れすぎてしまった感があります。
ところで…
> 100回聞いたことのあるCDだったら?
これは痛いですね…… 私の場合、グールドの「フランス組曲」(米CBS盤で、1枚に収まっているもの)くらいでしょうか…。ながら聞きがほとんどですが…。
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