現代イタリアのポリフォニー音楽 (12/12)

Pietro Allori : Polifonia Sacra / Le sette parole di Nostro Signore Gesu Cristo in croce
 (Sacred polyphonic works / The seven last words of Our Saviour from the cross)
 Pro Cantione Antiqua
 Mark Brown (conduct)
ANTES CONCERTO BM-CD 951036

 今更ですが、私は結構セール品が大好きです(笑)それも、CD屋のエサ箱というかゴミ箱というか(^^;を漁ったりするのがこれまたアレで。で、そういうところで拾ってくるものは、普通だと買わないようなのが選べたりします。現代音楽とか、なかなか買いにくいですからね。
 で、これもそんな風にして拾ってきた1枚。結構博打です。1925年生まれで1985年に亡くなっている作曲家で、イタリア名前。それはいいんだけど、Sacred Polyphonic Works。現代の作曲家でポリフォニーなの?え?え?どんなん?てなわけで、牛丼も食べられないようなお値段(笑)で入手。こういうのは気になるのですぐ聞きます。

 結構いけます。アバウトな言い方をすると、賛美歌だって20世紀に書かれたのはあるし、変ではないか、というところですが、それ以上になかなか良いです。無伴奏の合唱で、確かにポリフォニー。ただ、これは私が判別する知識が無いので、全くの印象ですが、音遣いがルネッサンスからバロックにかけての、ポリフォニックな音楽全盛の時代のそれとはやはり違っているように感じます。教会旋法ではあるようなんだけど、微妙に「今だから」考えられる進行になるんですよね。
 とはいえ、全般には、とても現代に書かれたとは感じられない、時代錯誤みたいな音楽です。悪く言えばルネッサンス期のこの種の音楽の模倣?ただ、どこまでもアンダンテな音楽です。
 でも、考えてみれば、この種の音楽は、本来的には教会で消費される為のものでもあるので、その時々で作曲されていった音楽としての伝統を踏んでいるということなのかも知れません。そもそも、厳密な意味で、この作曲者は近代以降の作曲家からは少々異なる側面を持つのでして。この人は聖職者なのです。

 ピエトロ・アロッリ。1925年、サルディニヤの生まれで、彼の地の地元の教会に聖職者として、神父にして合唱団の指揮を務め、1985年に没。イタリア国中や世界をまたにかけて活躍、みたいな人ではないようです。
 音楽としては、しかし、いい音楽です。ライナーノートには、Armonie del Silenzio、静寂のハーモニー、とでもいうんですかね、そんな言葉が書かれていますが、言いえて妙であると思います。
 正直、私はこういう人が他にも沢山居るのかどうか、こういう作品が沢山あるのかどうか、よく分かりません。そうかも知れないし、そうでないかも知れない。正直、何某かの事前情報を持って臨んでいるわけでもないし、分からないんですよ。そういう面では判断のしようがない。
 ただ、現代好みの音楽であるのは確かかも知れません。ルネッサンス期からバロックにかけての音楽は、例えば同様の合唱中心のポリフォニーでも、存外激しい音楽が入っていたりします。それは、音楽を通じて神を描く上で、時に神への畏怖を喚起したり、或いは神の恩寵による歓喜を感じさせたりするには、劇的表現も又重要であったから、と言えると思うのです。ところが、ここに収録される音楽は、殆ど全てがアンダンテ、ffなんてきっとないな、という感じの音楽。表現も抑制されたもので、決して劇的緊張を伴うものではない。その意味では、やはりこれも現代の音楽なのでしょう。ついはまってしまったのは、そういう面によるのかもしれません。
 静寂のハーモニー、というより、静謐の調和、そんな感じでしょうか。

 プロ・カンティオネ・アンティクァはロンドンに本拠を持つ古楽合唱アンサンブルだそうです。Hyperionなどに録音もあるとか。取り敢えず演奏に不満は感じません。

 果たして日本で簡単に手に入るものやら(ってーか、なんでこんなものがあったんだろ?)分かりませんし、紹介してどうする、という話はあるかも知れませんが、まぁこんな音楽もあるのだな、ということで。




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