[ラ・フォル・ジュルネ] チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 (3/2)

S.ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
P.I.チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23

 マルタ・アルゲリッチ (piano)
 ベルリン放送交響楽団, リッカルド・シャイー(conduct)
 バイエルン放送交響楽団, キリル・コンドラシン(conduct)
PHILIPS/ユニバーサルクラシックス UCCP-7003

 別棟でblogやってますラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(こちらが音楽祭のサイト)が、いよいよ開催まで2ヶ月となりました。
 そこで、こちらのblogでも、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」を取り上げようかと思います。今年のテーマは「民族のハーモニー」だそうでして。なので、折に触れ、今回取り上げられる作曲家の話でも書いてみようかなと。勿論こちらはCDの話がメインなので、そちらを中心に..........

 で、第一回の今夜はチャイコフスキーであります。チラシの作曲家一覧でもトップに来てるし。
 でも、「民族のハーモニー」っていう趣旨からすると、チャイコフスキーってちょっと微妙かなぁ、という気もするのですけどね。

 勿論、チャイコフスキー、いい作曲家ですよ。いい曲も沢山ある。でも、「民族」ってキーワードで考えると、元々西欧指向の強かったチャイコフスキーというのはどうなのかなと。
 ロシア音楽で言うと、「国民楽派」的な、「自分の国の音楽」というような考え方の傾向を持つ作曲家としては、ムソルグスキーやボロディンらの「五人組」と呼ばれるグループがあります。この人達とほぼ同時代でありながら、彼らとはやや距離を置いていたのがチャイコフスキーと言えるでしょう。その距離は、基本的に他に職業を持っていた「五人組」達と、プロフェッショナルの、というより、属性として作曲家しか持っていない者の立場の差にあるのかな、と思わなくもありません。

 チャイコフスキーの音楽を聞いていると、確かに「スラヴ風」「ロシア風」と言いたくなるような旋律が出て来ることもあります。ナポレオンとの戦争で勝利を収めた事跡を記念する「大序曲"1812年"」なんて曲もあります。
 でも、そうした曲もあるにはあるけれど、よくよく聞いてみると、チャイコフスキーのそれは、かなり西欧を通して濾過された「ロシア」という風があるようでもあります。
 チャイコフスキーのオペラで「エフゲニ・オネーギン」というのがあります。原作はプーシキンの手になるこのオペラ、よく見ていると、結構「ロシアという国」を客観的に見ている目線を感じなくもありません。主人公にまつわり登場する「ロシアの田舎地主層」の人々は明らかにフランスかぶれで、にも拘らず振る舞いは如何にも野暮ったい。全3幕のこのオペラでは、各幕で華やかな踊りの場面が入っているけれど、第1幕での農民達の踊りが「スラヴ風」とするなら、第2幕の「田舎地主」達が踊るのは、下世話な噂話を伴奏にした野暮ったい「ワルツ」。第3幕の、首都・ペテルスブルクでの舞踏会で踊られるのは、歌を伴わない一糸乱れぬ洗練された「ポロネーズ」。
 この目線がチャイコフスキーのものか、プーシキンのものかは何とも言えませんが、両者に共有されていたのは間違いないと思います。(原作に忠実ですしね)

 ロシアに「洗練された音楽」を確立させようとした作曲家、というのがチャイコフスキーの立ち位置なのではないかな、と思います。そう考えると、チャイコフスキーの曲が大規模で華やかなもの、劇的なものが少なくないのも、その影響なのかな、と思わなくもありません。ま、その辺が魅力なわけですが。
 ロシアの国民的作曲家、チャイコフスキー。そんなとこでしょうか。

 ピアノ協奏曲第1番。数多あるピアノ協奏曲の中でも人気で1,2位を争うところではないかと思います。ピアノ協奏曲ではその名も「皇帝」(ベートーヴェン)ってのもありますが、個人的にはこれこそ「ピアノ協奏曲の王」かなぁ、と思ってます。華やかなピアニストの演奏を聞くに相応しい、華も実もある独奏部。耳に残る魅惑の旋律。音の厚いオーケストラを扱いながら、演奏者に恵まれればそれが重く感じさせない、見事なオーケストレーション。何より、3楽章聞き通した時、「こんな風に大団円を迎えて欲しい!」と感じるその通りに終わるような、見事なまでの完結感。
 実に立派な建築を仰ぎ見るような思いです。大伽藍というのとは違うかな。華美ではあるけど過剰ではない。まぁ、なんというか、そんなイメージです。

 昔はルービンシュタインのを随分聞きました。今はアルゲリッチの演奏で。こういう力強くかつ華麗、というの、アルゲリッチははまり役ですね。バックを務めるコンドラシン指揮バイエルン放送響も見事です。




AUTHOR: mozart1889 URL: http://www.doblog.com/weblog/myblog/41717 DATE: 03/03/2007 04:22:11 おはようございます。
アルゲリッチのライヴ盤、凄まじかったですね。初出時にLPで買いました。
コピーが素晴らしかったんです。

「その時ピアノは火を吹いた!」

クラシックのタスキのコピーとしては、歴史に残る素晴らしさ。・・・・だと思います。
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