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ショーソン:弦楽四重奏 (5/13)

E.Chausson : String Quartet C minor, op.35
A.Roussel : String Quartet D major, op.45
A.Magnard : String Quartet E minor, op.16

 Quatuor Via Nova
Warner Classics 2564 61368-2

 前回に引き続き、弦楽四重奏ですが、随分趣が違います。

 弦楽四重奏というと、なんとなく「ドイツ人の音楽」というイメージがあるのは私だけでしょうか。いや、決してドイツ人ばっかりではないのですが、ハイドンによって確立され、モーツァルトにより発展し、ベートーヴェンによって革命をおこされ、シューベルトがその裏でロマンティックな作風で続き......みたいなイメージがあります。いや、既にこの時点でドイツ人はベートーヴェンだけなんですが(笑)
 でも、弦楽四重奏と言うと、こういう「構成をしっかり作った作品」、極端な言い方をすると「ミニ交響曲」みたいなイメージがあるのではないでしょうか。実際、ベートーヴェンくらいまでは、そのままオーケストラで演奏させるのにそれほど違和感はないし、逆にモーツァルトの中期あたりまでは、交響曲を室内楽として演奏するのにそれほど違和感無かったようですし。で、そういう音楽というと、やはりドイツ系かなと。
 ドヴォルザークらは勿論ドイツ人ではありませんが、その音楽はやはりドイツ音楽の系譜を受け継いでいます。後年独特の作風を誇るバルトークも、「ドイツ音楽」とは随分離れているけれど、やはりドイツ音楽あっての独自のアイデンティティでしょう。

 フランス音楽で一般に聞かれる弦楽四重奏の作品となると、フォーレにラヴェルとドビュッシーあたりではないでしょうか。と思っていたのですが、勿論他にも色々あるのですね。とはいえこの3人、微妙な知名度です。
 ショーソンは、ヴァイオリン曲で有名な「詩曲」というのがありますから、そこそこ知られた名でしょう。1855年生まれ、1899年没。ルーセルは、ショーソンに較べると「これ」という作品がないですが、交響曲を書いたりしている近代の作曲家です。そういえば「蜘蛛の饗宴」という作品があって、昔々レコード屋で蜘蛛の絵が描いてあるLPを見て「うへぇ」と思って、以後あまり縁が無い人です。1869年生まれ、1937年没。マグナールという人はよく知りません。1865年生まれ、1914年没だそうです。
 要するにこの3人、いわゆる近代フランス音楽を支える作曲家群でもあるわけです。でも、作風としては、上記の3人とはちょっと違います。

 今回はその中から、ショーソンの作品を。ショーソンは1899年、自転車事故で亡くなったそうですが、享年44歳ですから早過ぎる不慮の死と言っていいのでしょう。亡くなった際には未完成で、ヴァンサン・ダンディが完成させたのだそうです。なので、1899年の作品、ということになるのでしょう。ちなみにドビュッシーの弦楽四重奏曲は1893年だそうですので、ドビュッシーより後の作品となります。
 ショーソンはワーグナーに少なからず影響を受けていたようで、バイロイトにも行ったらしいです。まぁ、この時代にワーグナーの影響を受けなかった作曲家もそうはいないでしょうが。ただ、その音楽がじゃぁどうかというと、必ずしも聞く限りではそんな感じでも無いのですね。

 3楽章の構成です。途中で亡くなったからかと言うとそうとも言い切れないようです。結果的には急-緩-急の構成で、据わりが良いようで。4楽章構成で、最終楽章にもう一度「急」を入れるという手もあるのでしょうが。まぁ、何分にも亡くなってしまってますから......
 で、どんな曲かと言うとですね、それがまぁ独特なんですね。どう言ったらいいのか........
 捉えどころが無いんです。構成がどうとかいうこともあるのだけど、メロディがあって展開してとかいうのとはちょっと違うし、曲風も結構こまめに変わって、そのそれぞれが独特の響きを持っている。だから、「これだ!」というようなところがない。言えば「近代フランス」なんですけどね。
 ただ、まぁ、音はとてもセンスがいいです。短調、と言われれば「ああ、そうだな」と思うのだけど、それほどことは単純ではない。第1楽章など、"Grave" と表記されているくらいで、重苦しい感じではあるのだけど、例えばベートーヴェンやシューベルトの短調の曲での始まり方とは随分違う。時代が違うし当たり前、と言えばその通りなのだけど、そういうドイツ系の「質量が重くのしかかって来て苦しい」みたいなのとはちょっと違う。バルトークあたりの、もう調性感が無い音楽とも違う。重くはあるけれど、まとわりついて息苦しくするような感じが無いのです。大袈裟な身振りが伴うでもない。
 何処か冷静なんですね。軽いのとは違うし、他人事のようにしているわけでもない。それは決して不快な感じではない。
 あまり脈絡は無いのですが、マルセル・プルーストが、カペー四重奏団を自宅に呼んでベートーヴェンを演奏して貰って聞いていた、という話があるようですが、その演奏というのはこんな感じではなかったかな、という気がします。感情もあるし怒りも嘆きもする。けれど、ロマン主義的に感情を高らかに歌い上げ、カタルシスをもたらす、というのとはちょっと違うかな。感情の発露とかそういうのとは少し違う。

 説明が難しいです。聞いてもらった方が早いのかな。
 第2楽章の緩徐楽章は秀逸です。いいですよ、本当に。




AUTHOR: 凛虞 URL: http://shostakovich.blog.shinobi.jp/ DATE: 05/16/2007 00:43:35 Verdiさん、こんばんは! 恥ずかしながらショーソンに弦楽四重奏曲があることを知りませんでした。(ルーセルにもあるのですね…。)これは、興味深そうです。しかも、私の大好きなヴィア・ノヴァ! フォーレとシューマンの室内楽の録音を別格扱いにて愛好しています。
独墺系の弦楽四重奏曲の流れ(というより、ベートーヴェンの重圧??)を受けたフランス作曲家に、あとフランクがいますね。これまたフォーレと同じくして最晩年の作ですから、ショーソンも含めてフランス近代の作曲家は死を目前にして弦楽四重奏曲を書いていたのですね…。
(プラジャーク四重奏団の実演をお聞きになられたことは羨ましい限りです!!)
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