ハスキルのラヴェル「ソナチネ」 (5/21)

CLARA HASKIL The Legacy Volume III SOLO REPERTOIRE
 Clara Haskil (piano)
PHILIPS 442 635-2

 ペルルミュテールのフランス近代音楽選の関係で、久々にハスキルを引っ張り出しました。まぁ、このCDは割といつも手元にあるのですが。

 クララ・ハスキル。1960年に亡くなったピアニストです。確か、ブリュッセルの駅で階段から落ちたのが元だったか、それとも心臓発作を起こして階段から落ちたのだったか、そんな話です。
 ハスキルも、私としては、LP時代に入手して聞き始めた人なんですよね。で、このCDは3枚セットなのですが、そのLPに入っていたのはあらかた入ってます。スカルラッティのソナタ、シューマンの子供の情景だったか森の情景だったか、それとこのラヴェルのソナチネ。他にも何か入っていたかも知れません。

 ラヴェルのソナチネは、3楽章構成で、全部で10分ほどの名前の通り「小さいソナタ」です。ラヴェルのピアノ曲は風変わりな味わいの作品が多いですが(もっとも、サティの為にするような風変わりさと較べるとよほど違うのだけれど)、その中ではこの曲は構成感もあって古典寄りの作品と言っていいと思います。
 そういう作品なので、いわゆる「フランス印象派~#♪」みたいなイメージで、ブリリアントな響きで聞かせよう、なんてやられてしまうと、折角の構成感が台無しになってしまうのです。きらびやかであっても構わないけれど、響き合ってしまうのはよくない。音切れがよくないと困ってしまう。

 ハスキルの録音は1951年頃のようです。勿論モノラルで、そのせいか、1950年代のモノラル録音に時折感じられる、妙に残響のある感じではあるのですが、それはそういう「感じ」でしかなく、前の音が次の音と重なり、干渉するというようなことはありません。清潔感のある演奏です。
 急-緩-急の構成ですが、実感としては、急-やや急-快速 というところでしょうか。第一楽章から順に、Modere, Mouvement de menuet, Anime との表記があります(アクサン省略)。最後のAnimeはアニメーションと同じ語源で「動きのある」という意味です。音楽は全体に品よくまとまっているけれど、確かに結構動きのある曲です。そういえば、確かに古典派あたりのソナタ形式の作品って、そういうスタイルのものが少なくないですね。

 「品よく」「清潔感のある」、という表現をしましたが、確かにハスキルの演奏は概ねこの点が共通しているように感じられます。品がいいんですよね。やたらとペダルを踏んで響きを濁らせることはないし、楽曲の構成感を損なうことなくすっきりとまとめる。そもそもそういう曲を選んで演奏するし、それをまた見事に弾く。
 かつてのLPでも、このCDセットでも、カップリングされている演奏で、スカルラッティのソナタが3曲あるのですが、これらもこうした特徴に適った曲であるし、演奏も又その通りであります。そのへんが、この既に亡くなって半世紀になろうとする、決して録音が多いとは言えないピアニストを未だに聞いてしまう理由なのだと思います。






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