ケーゲルシュタット・トリオ (7/4)

モーツァルト:ピアノ、クラリネットとヴィオラの為のソナタ 変ホ長調 K.498 "ケーゲルシュタット"ブルッフ:クラリネット、ヴィオラとピアノの為の8つの小品 op.83 より
シューマン:クラリネット、ヴィオラとピアノの為の「おとぎ話」 op.132
 ザビーネ・マイヤー (clarinett)
 タベア・ツィマーマン (viola)
 ハルトムート・ヘル (piano)
EMI/東芝 TOCE-13474

 忙しいったらありません。なかなか書き込みも出来ず仕舞いです。やれやれ.....

 室内楽にもいろんな編成がありますが、中でもこれはかなりの変わりものと言っていいでしょう。トリオという編成自体はよくあるとして、管楽器入りの三重奏というのは確かに珍しい。しかも、その組み合わせが、クラリネットとヴィオラとピアノ。クラリネットもあまり類例が多くないですが、ヴィオラとの組み合わせ。音域的にはこの三つの組み合わせ、近いんですよね。近過ぎて幅が出ないんでは、とか思ってしまう。
 外題にある「ケーゲルシュタット」は、九柱戯と呼ばれるボウリングのようなゲームだったとか。で、作曲者がこのケーゲルシュタットで遊んでいる最中、例によって天才の常の如く楽想が沸いて来たので作ってみました、という逸話付き。まぁ、これまた例によってあてにならないエピソードだそうですが......

 逸話の真偽はともかく、ケッヘル番号からもお分かりの通り、後期の入り口に立った頃のモーツァルトの作品です。この時30歳だとか。この作品自体は3楽章の、むしろ小品と呼びたくなるような佳作ですが、バランス良くまとまっています。編成の特異さもあって、あまり類を見ない作品と言っていいのでは。
 まぁ、CDとして成立するのだから皆無ではないのですが、このCDなど、カップリングがシューマンとブルッフと、まるで違う時代の3人。しかもいずれも秘曲という感じの曲です。やはりヴィオラとクラリネットとピアノ、というのは少々特殊な組み合わせですね。
 とはいうものの、この作品は本当によく出来てます。近いけど違う、というところの「違う」ところを上手く生かして飽きさせません。誰が主役と言うわけでもないが、それぞれの「違い」を調和の中に感じさせるのは、バロック期に盛んだった合奏協奏曲を思い起こさせます。けれど、バロックの合奏協奏曲のような賑々しさや劇的緊張はここにはあまり感じられず、むしろバランスの取れた小編成の楽しみ、と言っていいでしょう。元々演奏される機会も決して多くないですが、モーツァルトの室内楽の中では、あまり気負った風のない、かなり上質の部類に入るのではないでしょうか。モーツァルトというのは、確かに名作揃いだけれど、作品としては結構気が抜けないものだったりしますし。特に室内楽は、名作・佳作は多いけれど、ふっと一息付けるという感じの作品は、あるようで意外と無いものですし。こういう編成なのに「ソナタ」の題名を持つというのも面白いことであります。
 全3楽章で20分ほどの演奏時間というのも適度な規模。各楽章、それなりの長さはあるけれど、全体としてはそう長くもない。まぁ、丁度いい感じでしょうか。

 ここでは、ザビーネ・マイヤー、タベア・ツィマーマン、ハルトムート・ヘルの三者で演奏されています。マイヤーはまだしも、ツィマーマンやヘルは知名度低いと言うべきでしょうが、いずれ劣らぬ名手であります。きらびやかな華やかさではもう一つかも知れないけれど、そういうのとはまた違った趣の音楽を聴かせてくれます。ヘルは、ピアニストとしては、ドイツ歌曲の伴奏者として高い評価を得ている人です。白井光子の夫君でもあります。
 この3人で、常設なり半常設なりのアンサンブルを組んでいたとは聞かないので、この録音などで特に、ということだろうと思いますが、やはりいいですねぇ。




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