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パヴァロッティの「清教徒」 (9/6)

V. Bellini "I Puritani"
 Luciano Pavarotti (tenor), Joan Sutherland (soprano), Piero Cappuccilli (bariton), Nicolai Ghiaurov (bass)
 London Symphony Orchestra, etc.
 Richard Bonynge (conduct)
DECCA 417 588-2

 パヴァロッティが逝ってしまいました。3大テノールの中で、一番死にそうにないような人が、一番最初に逝ってしまいました。本当にねぇ。膵臓ガンだったそうですが、それを言えば若くして白血病を病んだカレーラスがまた今年も日本に来るというのに.....
 享年71歳だそうです。

 パヴァロッティは、結局一度だけ聴いたきりでした。オペラに行くようになった頃には、もう下りかけだったし、チケット代はやたらと高い上になかなか取れず、しかも後年はPA付きでしたから、それではねぇ。カレーラスもここ数年はPA付きですが、カレーラスの身上は歌の上手さにあるので、PAでもそれなりに楽しめはするのですが、パヴァロッティは何と言っても声が身上でしたから。
 一度だけ聴けたのは、ウィーンで「愛の妙薬」に出た時で、あそこのバルコンで聴いたのですが、「ああ、これが何処から声が出ているかさっぱり分からないというやつか」と思いました。いわゆる「頭のてっぺんから声が出てる」という奴なのでしょうが、それにしてもよく響くので、本当に分からないんですよね。

 パヴァロッティの録音は勿論多数ありますが、忘れ得ないのは、なんといっても、ここでもトラックバックした「カラヤンの"ボエーム"」。これはもう永遠の名盤で、パヴァロッティを聴いて楽しむにも最良なのですが、パヴァロッティの魅力を最も強く引き出しているかというと、どうかなと。パヴァロッティの、見掛けによらず澄んだ声は、必ずしもプッチーニで最も合うとは思えないのですね。むしろ、ドニゼッティやベッリーニの諸作品での歌唱が合うのでは、と。
 その中でやはり忘れられないのが、比較的若い頃の録音であるアリア集。中に、「清教徒」の "A te, o cara" が収録されているのですが、これがもうなんと言うか絶妙で........自分の知る限り、最高の "A te, ocara" であります。よく、このアリアに関して、例えばウィリアム・マッテウッツィなどが歌った最高音のハイFがどうした、などという話が出るのですが、それはこのアリアのごく一面を捉えているに過ぎないのでして。確かにマッテウッツィやクリス・メリットなどの超高音系テノールもいいのですが、あまりそこに偏っては、このアリアの、ひいてはベッリーニの魅力である旋律美を蔑ろにしかねない。いや、マッテウッツィがそう言うの駄目、ということではなく、パヴァロッティが本当に素晴らしかったのです。

 でも、アリア集が見つからないので、ここは全曲盤で我慢。これだって1973年の録音なんですけどね。
 あのゆったりとしたテンポのアリアを、文字通り朗々と歌うパヴァロッティの、その澄み渡ったような声で歌われるメロディラインのなんと美しいこと!より高い声を出せるテノールは幾らも居ただろうけれど、美しく歌う、それもブレスなども含めて音楽的に美しく歌うということにかけて、やはりこの人の声は素晴らしいものを持っていたと思います。
 本当に「美声」の持ち主でした。負け惜しみでもあるけれど、近年のPA入りのコンサートには行かなかったのは、高いせいもあるけれど、あの美声が聴きたいのに、PA入りでは幾ら何でも、と思ったのもあります。生で聞くその声の魅力をこそ聴きたかったのに。

 その清澄度で言えば、やはりアリア集での録音に軍配が上がるのですが、この全曲盤では、その代わりに相手役にサザーランドを聴けるという贅沢が付いてきます。サザーランドももう一つ正当な評価を日本では貰えていないのですが、確かに癖のある声だけれど、この人の声には、それこそパヴァロッティにも通ずる、ある種の声の美しさがあるのです。この人や、パヴァロッティを聴いていると、少なくとも歌手の場合の美声というのは、声が美しければいいというものではなくて、その声を無理無く易々と届かせ、響き渡らせることの出来る声量とそれをコントロールする術があって初めて美声足りうるのだなと思います。

 ナポリ民謡のパヴァロッティも、ダルラの「カルーソー」を歌うパヴァロッティも、マンリーコを歌うパヴァロッティも勿論好きでしたが、パヴァロッティという歌手を最も輝かせていたのは、こういう曲だったんじゃないだろうか、と思います。
 ああ、それと、METのガラコンサート(LDなんだけど、DVDは出たのかな?)で、オペラとしてはリゴレットでマントヴァ公爵を歌いつつ、ガラとしてはドミンゴと二人でボエーム4幕の二重唱(勿論ロドルフォはパヴァロッティ)を歌っていた、ご機嫌なパヴァロッティ。そう、あの映像では、合間にこの二人の二重唱を見守るフレーニの姿が映し出されていて、それもまた何とも言えない感慨を与えてくれたのでした。

 享年71。指揮もせず、歌うことからも引退して、まだ2、3年でしょうか。それもまた彼らしいと言えばそうなのかも知れませんが、本人にとっては本意ではないでしょう。安らかならんことを。

[以前書いた"カラヤンのボエーム"はこちら]
http://www.doblog.com/weblog/TrackBackServlet/27955/2334112


AUTHOR: mozart1889 URL: http://www.doblog.com/weblog/myblog/41717 DATE: 09/07/2007 03:49:38 膵臓ガンとはいえ、少し早い死でした。残念ですね。
パヴァロッティのあの高音はホンマに凄かったです。
イタリア民謡集、トゥーランドット、そしてラ・ボエーム・・・・・パヴァロッティに勇気づけられた演奏、結構ありますね。
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