English Chamber Music of 17th century (10/20)

English Chamber music of the 17th Century
Trio Sonnerie
Stephen Stubbs (theorbo & baroque guitar)
Andrew Lawrence-King (harp & organ)
Teldec/Warner 0927 49976 2

 風邪っぴきでほぼ先週一杯死んでおりました。仕事休んだのは1日だけだけど、まぁ仕事してても本調子じゃないですよね。正直。
 この記事も、途中書きかけで放っておいてました。やれやれ。

 例によって行き当たりばったりで聞いている古楽系のCDです。今回は、Warner系の廉価盤シリーズから。
 「17世紀のイングランド室内楽」という、まぁ素っ気ないと言えば素っ気ないタイトルです。実は、17世紀のイングランドというのは、激動の時代です。

 17世紀のイングランドは、1603年にエリザベス女王が亡くなり、以後激動の歴史を歩みます。女王の指名によりスコットランド王ジェームズ5世がイングランド王ジェームズ1世として即位。その後継のチャールズ1世の治世下でピューリタン革命勃発、1649年にはチャールズ1世は処刑されます。クロムウェル治世下ではカトリックが弾圧され、西欧の文化の種でもあった修道院が閉鎖・破壊に追い込まれ、教会音楽も厳しく制限され、一般の歌舞音曲など目の敵にされる時代です。クロムウェルの死後、1660年に王政復古でチャールズ2世が即位しますが、その子ジェームズ2世はカトリックの性急な復興を図って議会と対立、ついに1688年名誉革命によって王位を追われ、翌年オランダ総督ウィリアムと妻メアリーがそれぞれウィリアム3世、メアリ2世として即位します。英国史はおろか、西洋各国史の中でも珍しい激動の時代です。2度も革命で王を退位させてるわけですし、宗教的にもめまぐるしく力関係が変わった時期です。当然文化的にも大きな影響があったのは間違いないでしょう。
 カトリックとほぼ訣別し、国教会体制が整っていった英国では、独自の宗教音楽文化が出来てしまったのが一つ。中欧やフランスでオペラなどの音楽が生まれていった時期、英国は内戦やらでとてもじゃないがそれどころではなかったのが第二。加えてピューリタン革命を挟んで、享楽的文化としての音楽が断絶した時期があるのが第三。もっとも、この時期経済的にも政治的にも頑張って一足早い安定を得た18世紀イングランドは、音楽の一大消費者として現れる訳ですが、まぁそれはまた別の話。

 時期的には、ルネッサンスからバロックへの過渡期となるわけです。取り上げられている作曲家は、作曲家不詳を除くと以下の通り。
 ・Thomas Baltzar (1630-1663)
 ・Johann Schop (?-1667)
 ・Nicola Matteis (late 1670s-1749)
 ・William Brade (1560-1630)
 ・William Lawes (1602-1645)
 ・Christopher Simpson (1605-1669)
 ・John Jenkins (1592-1678)
 ・William Byrd (1543-1623)
 ・Michel Farinel (1649-?)
この中で知っているのはバードくらいのもの。やっぱりね、この分野ってマイナーだと思います。
 編成は色々。オルガンを通奏低音に使っている曲が多いのは、この演奏集団の選択にもよるのでしょう。概ね、弦楽器、ヴァイオリンを中心に、ギターやテオルボ、オルガン、ハープなどがそれぞれに組み合わされている感じです。編成も曲のスタイルも区々ですが、舞曲系の曲が多いのは、ヴァージナル曲として16世紀から流行していた名残でしょうか。
 このくらいになると、もう、興味の持ち方が「どういう曲があるんだろう?」から始まってしまうので、いわゆる古楽系がどうのという話でなくなってきます。いや、むしろ、「古楽」と言われると、私なんかはこういうのがイメージにしっくり来るんですけどね。ありきたりな言い方ですが、「典雅」っていうのはこういう音楽のことかなぁ、という感じ。全体にゆったり目のテンポ。勿論曲により緩急はありますけどね。

 演奏がいいのか悪いのか、というのはよく分かりませんが、気持ちよく聞けます。このくらい「遠い」と、音楽自体をどうこう考える、という感じじゃなくなりますね。
 演奏者のTrio Sonnerie、ライナーにも格別情報はありません。1992年12月、UKのサフォークでの録音、とありますので、恐らくはUKの古楽アンサンブルの一つなのでしょう。イングランドの12月は、空が既に寒そうだな、と思います。「寒い国から帰って来たスパイ」というのがジョン・ル・カレの小説にありましたが、あの「寒い国」はロシアだか東ドイツだったと思うのだけど、どうしてどうして、イングランドも気候的にはとても心を寒くさせる国だな、と思ったりするのです。そこへいくと、このCDに入っている音楽のイメージとはちょっと違うな、とも思ったりするのですけれどね。




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