W.ケンプ:バッハ作品集 (11/4)

J.S.Bach : Englishe Suite Nr.3 BWV808/ Capriccio BWV992 / Transcriptions etc.
 Wilhelm Kempff (piano)
 Deutsche Grammophon 439 108-2

 ケンプのバッハ。昔からの愛聴盤であります。

 バッハの鍵盤曲の演奏、というと、ピアノに限ってもそれはもう古今東西色々ある訳ですが、個人的に結構好きなのが、ケンプなのです。

 で、それは何かというと、あまりにも有名なあの二つのコラールの編曲なのです。
 ケンプは、バッハのピアノ編曲を多くものしているのですが、そのなかでも耳に親しいのが、カンタータ147番「心と口と行いと」のコラールと、140番「目覚めよと呼ぶ物見らの声」の二曲だと思っています。前者は、むしろ、「主よ、人の望みと喜びよ」として知られているでしょうか。マイラ・ヘスによる編曲が広く演奏されますし、あれもいいのですが、ケンプのも悪くない。いや、編曲がいいというより、やはりケンプの演奏がいいのです。勿論どちらも。

 一般に人口に膾炙しているのは、やはり147番の方でしょうか。これは有名ですし、どことなく優し気だし。さざ波のように小刻みに寄せて返す音形が特徴的です。でも、本当は、合唱はそれに乗せて演奏される旋律の方なんですよね。これは多くのコラールでもそうなのですけども、どうしても聞く方はあのさざ波を主旋律だとつい思ってしまう。でも、そうではない。

 ケンプは、この、コラールの本来の主旋律を歌うのが上手なんですよね。

 140番もそう。こちらは、よく知られているとは言え、147番には若干遅れをとっているでしょうか。でも、個人的にはこちらの方が好きです。特徴的な、よく動く旋律に乗せて、コラールが乗って行く。
 元のコラールは、何とも静かな曲だと思います。本来の音形といい、ケンプの
演奏といい、必ずしもそう静かではない筈なのだけれど、どこかしら達観というか諦念というようなものを感じさせる所がある曲。勿論、内容的にはそういうものではないのですが、何処か琴線に触れるものがあるのですね。きっと。
 ケンプは、この旋律を淡々と歌い紡ぎます。147番でもそうですが、ケンプの演奏には、何処か突き放したような厳しさを感じさせるところがあります。決して苦くも辛くもないけれど、居住まいを正さなければいられないような心持ちにさせられるのです。それがいいのだ、というと、ちょっと変わっているでしょうか?

 本当は、これよりも古い録音で、もう一回り厳しい演奏があります。かつてレコードで出ていて、CDでも出た筈なんだけれど。あれは、本当に良かった。
 よく、自分が死んだらこれを掛けて欲しい、とかいいますが、このケンプの演奏は、自分が死んだら掛けて欲しい演奏の一つです。ちょっと聞くと甘く聞こえるのかも知れませんが、華麗に動く伴奏の蔭に立ち現れるコラールの主旋律が厳しく屹立してくるのを目の当たりにする時、言い様の無い想いに駆られるのです。......それじゃ、生きてる内に聞かなきゃ駄目ですね(苦笑)





AUTHOR: mozart1889 URL: http://www.doblog.com/weblog/myblog/41717 DATE: 11/05/2007 17:34:44 こんばんは。
ケンプのバッハはエエですね。いまだにLPなんですが、夜中にモゾモゾ聴くのが好きです。
しみじみと心に染みいります。年輪と慈しみを感じさせるバッハ、さすがケンプの熟練と思います。「目覚めよと呼ぶ物見らの声」、「主よ、人の望みと喜びよ」は特にイイですね。CDで買い直さなくちゃと思っています。
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