マッケラス/SCO、エディンバラ・フェスティヴァルでの「運命」 (11/11)

L.v.Beethoven : Symphony No.5 in C minor / No.6 in F major "Pastoral"
(The Beethoven Symphonies : Live from the Edinburgh Festival)
 Scottish Chamber Orchestra
 Sir Charles Mackerras (conduct)
 Hyperion CDS44303 (44301/5)

 久々にベタベタな名曲です。
 ベートーヴェンの運命。新譜です。正確には、ベートーヴェンの交響曲全集。マッケラス指揮、SCOとはスコットランド室内管弦楽団のこと。最近のマッケラスの手兵です。2006年のエディンバラ国際音楽祭での公演を録音したもの。BBCスコットランドによる録音を、Hyperionが発売したわけです。

 なんでこんなもの買ったかと言うとですね、実は私、これ、聞きに行く予定だったんです。この年のエディンバラ・フェスティヴァル。15日に、「英雄」。
 何故行かなかったかというと、実はこの年の8月、ヒースローでテロ騒ぎがありまして。騒ぎのあった当日ヒースローに着いて、そのまま大陸へ向かったのですが、その後数日間はヒースロー初め英米の空港は大混乱。空の便はキャンセルが相次ぎ、という状態で。で、私は後でエディンバラに移動する計画だったのですが、そんな中で途中で飛べなきゃアウトだよな、ということで、エディンバラを諦めたという次第。(実はテロ騒ぎでチケットが余り出したザルツブルクでウィーン・フィル聞いたりとか、いろいろ余録はあったのですが、まぁそれは別の話)

 そんなわけで、それだったら「英雄」を取り上げるのが筋でしょうが、そこはそれ今聞きたいものを、ということで、「運命」と「田園」のカップリング。もっぱらここで書くのは運命ですが。
 マッケラスとスコットランド室内管の組み合わせはなかなかいいです。まず、元気があって宜しい(笑)いや、決して冗談でなくて、はっきりした演奏なんですね。最近の、古楽的アプローチを重視するようなタイプでなく、故に、演奏も程々に現代風。といってもっさりもたもた、というのではありません。ありすぎない程度にメリハリがあって(古楽系のメリハリだけが命!みたいなのとは違います)、すっきりしてます。室内管、とはいうけれど、小編成という感じは全くしません。
 マッケラスの指揮は、見通しの利く感じの演奏に仕上がっていて、「ちゃんと全体を見通しているな」という安心感があります。時々、妙に特定の楽器だけ(例えば木管とか)が浮き上がって目立って聞こえる、なんてことがありますが、この組み合わせではよくコントロールされていて、そんなことはなし。強いて言えば、いわゆる巨匠タイプの、スケールの大きな演奏、という感じではないのでしょうね。中庸、なのでしょうか。
 でも、そうしたことも見通した上で、このオーケストラと組んでやっているのだと思うので、その点に不満は無いです。急ぎ過ぎない第1楽章、重た過ぎず、程良い緊張感を保った第2楽章。メリハリよく駆け下りるような(でも決してここでも分解はしない)第4楽章......うーん、コーダはちょっとスリリングかな?第3楽章は、ちょっとまとまりが今ひとつかも。でも、そういう楽章だしなぁ。
 中庸、言い換えればスタンダードに近い所にいるのかも知れません。マッケラス、既に老将と呼ばれるべき歳ですが、老将にして宿将といったところでしょうか。この人の音楽は、この歳になって尚、いや一時期以上に快進撃を続けています。録音数も多いけど、当たりが多いのです。2006年早々に出た、モーツァルトの「皇帝ティトの慈悲」の録音もこのオケとの、エディンバラ・フェスティヴァルの上演に絡めてのものでしたが、こちらも新鮮にして中庸という感じ。こちらは流石にピリオドスタイルでしたが、それでも極端ではないんですよね。王道を歩む、というのでしょうか。

 このオケは、音もいいです。最新録音だけのことはあって、音質も上々ですが、よく揃っているし(この辺は編成の小さいオケは有利ですね)、響きもいい。よく弾けているな、という音がします。

 「田園」の方も当然聞いていますが、こちらも悪くありません。「運命」に比べるとちょっと元気よ過ぎないか?という気もしますが、そう極端ではないし。でも、この録音だと、「運命」の方がいいかな。私は曲としては「田園」の方が好きではあるんですけど、てことは「田園」はやっぱりあまりよくない、ってことなのかな?どうだろ?
 まぁともあれ、また一つベートーヴェンの全集が出来たけど、そう凡庸でもなくて良かったよね、てなところでしょうか。新しいスタンダードへの道は、さすがに少々険しそうなので、何とも言えませんけどね。




TITLE: マッケラス/PO、エディンバラ・フェスティヴァルでの「合唱」 (11/23) URL: http://www.doblog.com/weblog/myblog/27955/2613753#2613753 IP: BLOG NAME: Verdiのレコード置き場 今日車で聴いたものblog DATE: 11/24/2007 00:55:33 L.v.Beethoven : Symphony No.9 in D minor "Choral" op.125 (The Beethoven Symphonies : Live from the Edinburgh Festival)  Philharmonia Orchestra Janice Watson (soprano), Catherine Wyn-Rogers (mezzo-soprano) Stuart Skelton (tenor), Det...
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