サザランド:オペラアリア集 (11/20)

Joan Sutherland : Operatic Arias
(Lucia di Lammermoor, Ernani, I vespri Siciliani, Linda di Chamounix)
 Joan Sutherland (soprano)
 Orchestre des Concerts du Conservatoire, etc.
 Nello Santi (conduct)
 DECCA 475 6237

 グルベローヴァのファンでありながら、何故かせっせとサザランドのことばかり書いているような気がします。ええと、正直言うと、出し惜しみです(爆)

 サザランドを引っ張り出して来たのは、実のところ、日曜日に聞いたナタリー・デッセイの口直し。調子悪かったようで、決して上出来ではなかったのもあるけれど、やはり歌の芯がしっかりしている人が私は好きです。車で移動していたので、たまたま手元にあったのがグルベローヴァでなくてサザランドだったという次第。たまたま手元にサザランド置いとくなよ、という突っ込みは措くとして。

 1959年、パリでの録音です。パリ音楽院管、指揮はなんとネッロ・サンティ。この間もN響でボエームを振って行きました。ほぼ50年前の録音です。この人も息が長いんですねぇ。いや、そもそも20代でこういう録音をしていたわけで、そこが凄いと言うべきか?

 もう何度でも言うことだけれど、結局、私がこの決して超美声とは言えないサザランドを好むのは、歌として安定しているから、なんですね。
 この録音は彼女のキャリアの最初期の方なので、もう少し後の録音に比べると、必ずしも諸手を挙げて大歓迎とはいかない部分もあります。ブレス然り、フレージング然り。歌っていて微妙に帳尻が合わなくなるところもあるし。加えて、決してこの頃のサザランドは超絶技巧コロラトューラとは言えません。この録音でも、如何にもなラインナップであるし、ちゃんとコロラトューラは決めているけれど、圧倒的、というのとは違う。それでも、やはりこの人の声は、歌は、いいのです。
 録音の音質のせいもあると思うのですが、不思議なことに、コロラトューラよりも「サザランドの歌唱」という形での方が印象に残るのです。決して転がしてない訳じゃなくて、「シャモニーのリンダ」なんて、ぼこぼこにヴァリアント付けて、これでもかという歌唱なのに。やはり、独特の、強い「声」という素材を持っていたということなのかと思うのです。

 最初がルチアの1幕のアリア。最後が狂乱の場。このルチアを聞いていると、やはり「コロラトューラは、コロラトューラである前にソプラノであり歌手である」と改めて思います。幾らコロラトューラの代名詞のように語られようと、やはりルチアにして尚基本は「ソプラノ」の歌う「歌」なのです。ヴァリアントだけでは歌い切れないし、言えば、コロラトューラがなくても歌おうと思えば歌えてしまうのだと思います。例えば、ルチアの録音の中には、カバリエが歌ったものもあります。全然レッジェーロじゃないし、転がってないし、高音も厳しいけど、歌にはなっているのです。まぁ、さすがに、それがいい、とは私も思わないんですが......

 まぁ、そういうことを抜きにしても、やはりサザランドは面白い。特に、60年代、せめても70年代前半までのサザランドは本当に面白いです。そこらあたりを過ぎると、徐々に衰えが出て来て、特に夫君ボニングの指揮による演奏は、ある意味やりたい放題、とまでは行かずとも、結構詰めの甘さが散見されて、もう一つよくないのです。全曲盤では「清教徒」あたりまでかなぁ、あの辺までは結構いいんだけど。
 やはり一度聞いてみて頂きたい、としか言い様がないですね.............

 それにしても日本で人気が無いのはなんでなんだろうなぁ。英国系、というか豪州系だから?見た目かも知れないし、後年は硬い声になっていって、確かにあまり良くはないんですけどね。録音偏重の日本にしては妙に割を食ってる感じがします。数は出てるんだけどなぁ。



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