スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

キーシン:展覧会の絵 (11/26)

J.S.バッハブゾーニ編:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV.564
グリンカバラキレフ編:ひばり
ムソルグスキー:展覧会の絵

 エフゲニー・キーシン (piano)
RCA/BMGファンハウス BVCC-31061

 過去の名演奏家に対して、現役の演奏家が不利な点、というのが幾つかあります(勿論有利な点だってあるのですが)。その中の一つが、「聞いて貰えない」というもの。
 勿論、既に引退し、或いは故人となった演奏家の生演奏は聞き様がありません。でも、評価の定まらない、或いはある程度の評価が一応定まってしまった現役の演奏家というのは、どうしてもその評価に影響されてしまいます。例えば、ショパンコンクールで入賞して、ショパンで何度か録音やリサイタルをしてしまい、「ショパン弾き」のレッテルを貼られてしまうと、なかなかその路線からは抜け出しにくくなります。仮にほとぼりが冷めても、「ああ、あの人ね」みたいに見られてしまい、うっかりすると既に付いているファンから、「お約束」を求められ、みたいなことになってしまう。で、違うものを演奏しても、なかなか新しい目で見てくれなかったりする。ブーニンなんかがその傾向があります。

 キーシンの場合、まず、「神童」というところから始まっていて、そのイメージが強いんですよね。現在36歳、この録音の時点である2001年でももう30歳くらいですから、神童も何もあったもんじゃないんですが、やっぱりショパンだ、リストだ、みたいなイメージがあるんですよね。悪いけど。

 という先入観が(あるとすれば)ちょっと裏切られるのがこのCD。
 メインの選曲自体は、確かに「ショパン→リスト」と来て、そうずれてはいないんですけどね。最初に、バッハ=ブゾーニの「トッカータ、アダージョとフーガ」が入っているのですが、これが意表を突いているのです。この曲自体、知られてない訳ではないけれど、あまり弾かれない演目です。それをなかなかにダイナミックに弾いているのですが、どこかゴツゴツとした触感の演奏で、これが面白い。
 大体が、ショパンの上手い人というのは、ピアノを響かせて聞かせる人が多いと思うのですが、この録音はそうではなくて、むしろ「ピアノを叩く音」が聞こえて来る感じです。無論、ガンガン叩いているのではないですよ。ただ、鳴らしているのではなく、物理的に鍵盤を叩く(押す)ことで音が出ている、そのプロセスが見えるような音の録り方なのです。
 グリンカ=バラキレフの「ひばり」を挟んで(この曲を置いていることについて、解説の黒田恭一が興味深いことを書いています)、展覧会の絵。勿論こちらも達者な演奏です。弾き方、表現は独特のものがありますが、決して悪くはない。ある意味新鮮でもあるし。それに、この曲集は、どこか、そうしたピアニストの裁量を楽しむ面もある曲だと思うので。

 でも、個人的に一番意表を突かれたのは、その意味でも面白かったのは、最初のバッハ=ブゾーニなんですよね。特に弾き方。「ああ、この人こういう弾き方するんだ。こういう音が出るんだ。」というのが、実は一番新鮮でした。展覧会の絵も、それなりに自由闊達に弾いていると思うのですが、元々そういう曲ですから、と考えると、やはりあのゴツゴツとした触感のインパクトが大きいのです。
 こういうピアノを弾く人が、この先どこへ行くのか、結構面白そうだなと思います。




AUTHOR: preludio DATE: 12/04/2007 06:00:52 ブーニンのコンサートは、過去に3回聴きに行ってますが
すべてショパンプログラムでした。
CDではバッハなども弾いているのに、
ショパンコンクールの時のイメージが、いまだに強く残っていて
なんだか気の毒な気もしますね。
渥美清が、晩年、寅さん役しかできなくなったような‥それと同じでしょうか。。。(違!)
キーシンは、若い頃のイメージが抜けないですね。
神童は、しんどいなあ(笑)
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

verdi

Author:verdi
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2ブックマーク
FC2カウンター
118,000アクセスくらい+
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。