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[ラ・フォル・ジュルネ] シューベルティアーデでのシューベルト重唱リサイタル (1/16)

"Schubertiade" F.Schubert : Duetts, Terzetts, Quartetts (D.826, 37, 666, 352, 815, 609, 439, 545, 985, 986, 923, 986)
 Helen Donath (soprano), Marga Schiml (alto), Peter Schreier (tenor),
 Hermann Prey (bariton), Robert Holl (bass), Leonard Hokanson (klavier)
Deutsche Grammophon 453 978-2

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2008のサイトはこちら

 今更ですが、シューベルトのエントリーを続けた挙句に今年のラ・フォル・ジュルネのテーマがシューベルトだったのを思い出しました。そういえば、もう4ヵ月後の話なんですね。
 というわけで、今日もシューベルトであります。

 シューベルティアーデ、という音楽祭があります。オーストリアの最西、フォアアールベルク州で開かれています。始めたのは、ヘルマン・プライら、シューベルトの音楽に造詣深く、愛情を注ぐことに惜しみなかった音楽家達。かつてシューベルトが友人達と内輪で音楽を楽しんだという集まり、「シューベルティアーデ」をその名に冠した音楽祭。毎年、大体6月と9月に、主な公演を集中して行います。
 幾度か訪れたことがあるのですが、何とも言えずいい音楽祭なのです。
 まず、やっている地域がいい。言ってみればアルプスの前衛の山の麓、世界的な観光地ではないけれどほどほどに風光明媚な土地なのです。山麓の村に作られた500人ほどが入るホールは、季節柄19時くらいでも外は明るく、綺麗な緑の牧草地が目にも優しい、という.....
 次に、チケットがそれほど高くない。大体が、季節にしても本当のハイシーズンではないですから、本当に好きな人が来るという音楽祭。公演も室内楽やリサイタルが主ですから、高くても1万円くらい。いや、今はユーロ高で1万円台後半まで来てしまったか?とはいえ、例えばザルツブルクのような何万円もするチケットをまたチケット業者がプレミアムを乗せる、などということはありません。
 そして、これが一番重要なのですが、なんと言っても公演の内容がとてもハイレベルなのです。出演者だけ考えても、歌手ならばボストリッジやクヴァストホフをはじめ、今を時めく一線級のリート歌いが集結。ピアニストなら、ブレンデル、シフ、シュタイアーといったこれまた日本でリサイタルがあれば是非行きたいと思うような面々。
 ああ、また行きたい......行けないなぁ、時間がない.........

 この音楽祭、毎年録音が日本でもFM放送されるなど、そこそこ知られるようになってきましたが、あまり録音として残されたものがありません。そこが残念ではあるんですが。
 この録音は、そんな中、数少ない記録されたものの一つ。1977年6月29日、開催地の一つ、ホーエネムスでのライブ録音。

 いやまぁ、この出演者を見て下さい、としか言いようがありません。特に男声陣。シュライヤーとプライにホルが加わるという豪華版。女声陣も、ドナートにシムル。シムルはあまり派手な活躍は無いですが、ショルティのパルジファルなんかに顔を出すくらいの歌手ではあります。まぁ、どれか一人だけでも十分リサイタルになるのに、これが集まって2重唱・3重唱・4重唱を展開するのですから。
 正直、流石にこの辺の曲になると、あまり詳しくはありませんが、聞いていて実に楽しいのです。
 シューベルトの作品には、内輪で演奏して楽しむ、というスタイルの曲が多いです。勿論、歌曲というのも、元々は少人数で楽しむものだったでしょうから、それは決して不自然ではないけれど、こうした重唱曲というのが存外多いのです。時代はナポレオン戦争後の、貴族階級も打撃を受けたけれど、社会全体としては保守的に逆戻りしていた頃。小市民的な生き方、楽しみが良しとされた時代。あるは出版され、或いはそれこそシューベルティアーデなど内輪の集まりで楽しむ為、作曲されたものなのでしょう。そのどれもが、何処か機嫌良さげな音楽で、シューベルトの音楽で時に垣間見られるデモーニッシュ、悪魔的な、言わば「暗がり」の部分が顔を覗かせることも無い。そんな音楽です。
 「冬の旅」や、晩年のピアノソナタなどに見られる、深さの知れない暗がりを垣間見させられるのもシューベルトだけれど、それだけがシューベルトの楽しみでもないのでして、確かに。
 極上の豪華メンバーで、こんな機嫌のいいシューベルトを聴いていると(全部が全部そうという訳でもないけれど)、何となく心が穏やかに、ほぐれて来るのを感じるのであります。シューベルトの音楽には、全てではないけれど、なんというか、こちらの戦闘態勢をほぐしてしまうものがあると思います。穏やかに、争わず、でも、多少の諦念も交えているのでしょう。それは決して悪い気分ではありません。
 そんなシューベルトが私は好きであります。それだけではないんですけどね。



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