ブラームスのドイツ・レクイエム:アクセントゥス (1/18)

J.Brahms : ein Deutsches Requiem op.45
 Sandrine Piau (soprano), Stephane Degout (bariton)
 Brigitte Engerer, Boris Berezovsky (piano)
Accentus
Laurence Equilbey (conduct)
 Naive V4956

 実は、ブラームスのドイツ・レクイエムはあまり好きではありません。ええ、我ながら結構苦手なものが多いのです(苦笑)
 ドイツ・レクイエム、いい演奏に巡り会っていないのかも知れませんが、どうも生臭い感じがして厭なのです。ブラームスの音楽を考えれば別段不思議ではない、ある種の未解決の和声が、フルオーケストラで分厚く鳴らされるのが、非常にあざとく場違いに聞こえてしまうのです。
 例えば、ヴェルディやフォーレの方が、より上手く、巧みに、そういう「不自然」な和声が響かないように書いています。ヴェルディのはブラームスよりより派手だけれど、その分音の分厚さを効果的に使っていますし、ある種の媚びたような音は鳴らさない。フォーレの場合、古い教会旋法を巧みに使っていて、その上にあの静謐な音楽を構築しているので、生臭さが入る余地がない。言い換えれば、そうした点では、どちらももっとあざとく振る舞っているということなんでしょうけど。でもまぁ、それがプロというものだから、ここはそのように音楽を書いた御両名の方が一枚上手、と言っていいのでしょう。

 ああ見えて、ブラームスのオーケストレーションは結構華麗なのでしょう。渋いようで実は意外に華やかに響くのかも知れません。そのへんが、ドイツ・レクイエムでは「見えて」しまっているのではないかと。
 まぁそんな風に思いつつ、だからドイツ・レクイエムは......と思っていたのですが、こんな録音があるのですね。
 ロンドン版。要は、ピアノ二台編曲版、なのです。ブラームス自身の手になる編曲です。これがなかなかよいのです。フルオーケストラと違って、ピアノ二台ですから、幾ら和声をいじっても、音色は限られて来ます。音量も、なんだかんだ言ってピアノ二台ですから、フルオーケストラよりは大分こじんまり。和声は基本は変わりませんから、「う」と思うところはあるのですが、オーケストラの時ほどには違和感はありません。一方で、ピアノ二台というのがミソ。一台だけだと随分物足りなくなりそうですが、二台あると、シンプルな箇所は勿論、ある程度複雑に声部進行が交差するようなところでも、結構音楽を形作れています。
 演奏者がこれまた。合唱はあのアクセントゥス。ローレンス・エクィルベイの指揮。ピアノが、ブリジット・エンゲラーとボリス・ベレゾフスキー。つまりはラ・フォル・ジュルネでお馴染みの面々ですが、それにしてもこの組み合わせでこの曲だと、アクセントゥスの実力が光ります。この演奏の落ち着きは、ピアノ版ということもありますが、美しい響きの合唱団の力によるところ大であろうと思います。
 決してピアノ編曲版が代用ではなく、それ自体が十分完成した音楽になっている、というところが面白い。確かに聞いていると、「ああ、ここは元の楽譜そのままだな」と聞き取れる箇所も多いのですが、それ以上にこの編曲まとまりが良くて、結構聞けるのです。いや、オーケストラ抜きで聞くと、必要以上の装飾が削られて、むしろシンプルな合唱主体の曲のように聞こえて、これもまた面白いのではあります。
 本当に、これは合唱を聴く為の音楽です。その期待にアクセントゥスも見事にこたえてくれます。




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