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アンジェラ・ヒューイット:ベートーヴェン・ソナタ集第2巻「田園」他 (2/1)

Beethoven Piano Sonatas : No.15 D major op.28 "Pastoral" / N0.8 C minor op.13 "Pathetique" / N0.3 C major op.2 No.3
 Angela Hewitt (piano)
 Hyperion CDA67605

 アンジェラ・ヒューイットが取り組んでいるベートーヴェンのソナタ録音の第二巻。恐らく全集にするのだと思いますが、この第二巻では、15番「田園」と8番「悲愴」、それに3番というカップリング。なかなか痛いところを突いて来るカップリングでしょうか。

 ヒューイットは、中堅と呼んでいい域のピアニストです。自分が学生の頃、もう20年も前に、「グレン・グールド・コンクール優勝」という看板で来日したのを聞いたことがあります。改めて経歴を見ると「トロント国際バッハコンクール」ということらしいのですが、当時は確かグールドの名前を冠していたなぁ。
 ちなみにそのコンサートはタダでした。武蔵野市の主催で、葉書で応募して招待、というのじゃなかったかな。何を弾いたか、全部は憶えていないのだけど、バッハを何か弾いたな、というのと、ラヴェルの「クープランの墓」の演奏が良かったのと(特にメヌエット!)、アンコールでゴールドベルク変奏曲のアリアを弾いておしまい、だったのはよく憶えています。
 その後ライプツィヒのバッハコンクールでも優勝したおかげで、バッハ弾きみたいになっていたみたいですが、Hyperionでバッハの鍵盤楽曲「全集」を録音して「禊ぎ」が済んだのか、その後ラヴェル、クープラン、ショパンにシャブリエと、弾きたいものを弾いてます、てな感じです。その上にベートーヴェンに」取り組んでいるというわけです。

 イタリアの新興ピアノメーカー、ファツィオーリ社のピアノを使っての録音。ここのピアノは、スタインウェイやヤマハに比べると、リリカルで透明感のある音がするように思います。というより、そういう風のあるピアニストに好まれる、ということなのかも知れませんが。
 そう、ヒューイットの演奏は、そうしたリリカルさが活きる曲目が多いように思います。勿論ベートーヴェンのソナタとなると、必ずしもそう言う訳にもいかないのでは、という気がしますが。

 で、この録音ですが、一曲目は第15番「田園」。いや、これがいいんです。
 この曲、ちょっと難しいところのある曲ではないかと思います。和音の静かな連打で始まる第1楽章が、ベートーヴェンには珍しい「静かなアレグロ」なので、知名度の問題もあってやや軽く見られがちなのですが、実は長さで言えばいわゆる「3大ソナタ」より長いくらい。全4楽章、そのうち3分の2は前2楽章が占めるのですが、ここに目立ったクライマックスが無いんです。後半はちょっと盛り上がりますが、これはベートーヴェンらしからぬ劇性の少ない曲。4楽章構成で、長い前半2楽章、静かな楽曲.......ちょっとシューベルトのソナタを思い起こさせます。いや、勿論ベートーヴェンの方が先ですが。
 実は、ベートーヴェンの演奏で定評のあるピアニストでも、この曲は意外と良くなかったりします。ちょっとベートーヴェンらしからぬ曲、なのでしょう。
 これをヒューイットはなかなか上手に料理しています。リリカルな響きの楽器を使って、デュナミークを繊細にコントロール。決して劇的ではないけれど、音楽の表情が活き活きとしています。持ち前の端正な演奏スタイルもあって、情に溺れることもなく、気持ちのいい演奏です。

 一緒に入っている第8番は、言わずと知れた「悲愴」ですが、こちらも無理にドラマティックに仕立てることも無く、抑制された中での、見方によっては落ち着いた演奏。こういうベートーヴェンを弾く人は、決して多くはありません。ちょっとした希少価値かも知れません。
 今後ヒューイットが録音を進めるにつれて、後期のピアノソナタなんかにも手を付けていくでしょうが、果たしてどうなるものか、興味深いです。同じようにリリックに弾いていくのか、それとも......?年に1枚か2枚か、という感じのペースなので、じっくり待つことにします。




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