ワルトラウト・マイヤー:マーラー、ワーグナー、ヴォルフ歌曲集 (3/9)

G.Mahler : Kindertotenlieder
R.Wagner : Wesendonck-Lieder
H.Wolf : In der Fruehe / Denk'es, o Seele! / Wo find'ich Trost

 Waltraud Meier (mezzo-soprano)
 Orchestra de Paris
 Daniel Barenboim (conduct)
 WarnerClassics (Elatus) 2564-60439 2

 ワルトラウト・マイヤーは、去年バレンボイム率いるベルリン国立歌劇場の引っ越し公演で一緒に来日して、イゾルデを歌って行きました。それは行かなかったけれど、歌曲のリサイタルがあったのでそれには出掛けました。シューベルト、R=シュトラウス、ヴォルフだったかな?なかなかいい歌を聴かせてもらいました。どちらかと言うと、精緻な歌を聴かせるタイプじゃなさそうだし、イゾルデの方は一部ではあまり評判良くなかったとも聞きますが、「ライブでドイツ歌曲を聞く」という機会としてはかなりいいものを聞かせて貰った、という所でした。結構自分としては点が高かったのですが、まぁ、確かに、歌手としてのポテンシャルは高い人ですから。

 そのマイヤーが、やはりバレンボイムと組んで、パリ管をバックに録音した歌曲集がこれです。実は、録音は1988年10月。もう20年前の話なんですね。でも、正直、それほど「古い録音」という気はしないのですが。全てオーケストラ伴奏で、マーラーの「子供の死の歌」、ワーグナーのヴェーゼンドンク・リーダー、それにヴォルフの管弦楽伴奏の歌曲3曲、という構成です。

 マーラーの「子供の死の歌」、日本では以前から一般的には「亡き子を偲ぶ歌」と呼ばれてます。でも、原題は、Kindertotenlieder。実は直訳すると「子供の死の歌」なんですね。でも、日本人は優しいのでしょうね。あまりに直截的なこの題に耐えられず、「亡き子を偲ぶ歌」と誰かがしたのでしょう。決して内容的には間違っては居ないんですが。
 この歌曲集は正直難しいのだと思います。あまりに感情が直接的に出ている感じがあって、題材とも相俟って、ちょっと近寄り難い感じがあります。近寄り難い、ってのも変ですが、距離を置きたくなってしまうのですね。いわゆる「引いてしまう」という奴です。マーラーの奥さんのアルマが、"自分の妻と子供が幸せそうに暮らしている側で、こんな恐ろしい不吉な歌曲を作曲出来るなんて" というようなことを言っています。実際、この曲が書かれた後で、この夫婦は子供を亡くしています。アルマという人、外野から見ていると決して好感を持てない人物ではあるのですが、この一件に関しては、気持ちは分かります。たとえ後付けの理屈だとしても、そりゃ一言言いたくなるでしょうね。
 で、マイヤーはというと、感情をセーブして、あまり思い入れが強くならないようなアプローチで歌っています。まぁ、これが王道ではあるんですけどね。ただ、元々表現力の豊かなマイヤーの声ですから、よくセーブしてるな、と思います。いや、一部、抑えかねてるところもあるかな(笑)

 正直言うと、そういう、セーブしなきゃいけない曲が多いんですけどね、このアルバムは。続いてのワーグナーのヴェーゼンドンク・リーダー。これも、5曲の歌曲からなる歌曲集ですが、別の意味で抑え気味の表現が求められる曲です。一部の曲では「トリスタンとイゾルデ」の呼び声が聞こえて来ます。実際、「トリスタン」の習作として書かれた曲もあるくらい。で、時には何とも言えない退廃的な雰囲気も漂う。そんな作品ですが、ここでもマイヤー、抑えながら、でも表現する所はきっちり表現してます、という歌唱で聞かせてくれます。

 で、実は、ヴォルフもその系統の曲なんですけどね。マイヤー、抑えっぱなし(笑)最終曲、ちょっと走ってみた感もありますが、基本的な基調は変わりません。正直、今やワーグナーを歌うソプラノとしてはトップクラスの存在であるマイヤーの歌、としては、かなりイメージが違うかも。まぁ、別の言い方をすれば、そんなマイヤーにこういう歌曲を歌わせる贅沢、とも言えましょうか。

 バレンボイム指揮のパリ管はどうか、というと、正直あまり印象が無い。マイヤーばっかり一生懸命聞いてるもんですから.......でも、足を引っ張るようなことは全くありません。きっと、いい伴奏なのでしょう。




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