キャスリーン・バトル (3/23)

バトル:アヴェ・マリア
 キャスリーン・バトル (soprano)
 クリストファー・パークニング (guitar)
 東芝EMI TOCE-13360

 キャスリーン・バトル。今となっては懐かしい名前になってしまいました。20年以上前にニッカウィスキーのCMで、「オンブラ・マイ・フ」(ヘンデル "セルセ" )を歌って一般に大ブレーク(って言い方当時はしなかったなぁ)したソプラノです。当時、リサイタルも行われて、聞きに行った覚えがあります。神奈川県民ホールだったかな。綺麗な声でした、確かに。
 その後、オペラなどでも活躍していたのが、あまりに態度が悪いとのことで、結局METを閉め出されてしまいました。その後、オペラの舞台には立たなくなっているようです。リサイタルなどはやっているそうですが、日本にまではあまり情報は伝わって来ないですね。もう、今年還暦になるのだそうです。あの「オンブラ・マイ・フ」の時点で、もう40近かった訳で。なるほどねぇ。

 このアルバム、原題は "Pleasure of Their Company" となっています。Their とは、バトルと伴奏のギターを弾くクリストファー・パークニング。アメリカのギタリストで、若くして名手と呼ばれながら、早々に田舎に引っ込んで、あまり演奏活動は引き受けない、という生活を送っているそうです。うーん、知らないなぁ、この人。
 とはいえこのコンビの演奏は素晴らしい。どちらかというと線が細めで透明感のあるバトルの声に、ギターの伴奏はよく合います。主張し過ぎず、でもしっかりと寄り添うパークニングの演奏もいい。このアルバムの最初はダウランドの曲を5曲、内2曲はギター独奏なのですが、現代ギターの筈なのだけど、違和感は全くありません。今ならリュートか、それでなくてもバロックギターか何か使うでしょうが、そんなこと関係なくいい演奏です。
 ダウランドで最近記憶に残っているのはスティングの歌ったものですが、こちらのバトルのものもいい歌唱です。といって、いわゆる「ルネッサンス期のイングランドの音楽・ダウランドを歌う」って感じではなくて、普通に歌を歌っている。それがたまたまダウランドでした、と。ダウランドの歌自体、そういう性格のものなのかも知れませんね。そういえば、エマ・カークビーのようなスペシャリストの歌うダウランドより、スティングやバトルみたいなのの方が、私は好きなのかも知れません。構えた所が無くて。

 他には、バッハのプレリュードの旋律に載せた、グノーの「アヴェ・マリア」、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」、グラナドスやファリャ、ブラジルの歌曲、それに黒人霊歌、と、全20曲。クラシックのソプラノのアルバムとしては少々風変わりかも知れませんが、バトルの可憐な美声(とギター)を存分に楽しめるアルバムです。
 そう、改めて聞くと、本当にバトルの声はいい声なんですよね。わかってはいる事だけど、再認識させられます。もう少し色々と録音しておいてくれればよかったのに。
 残りの曲では、やはりバッハ/グノーの「アヴェ・マリア」もいいけど、黒人霊歌もひと味違っていいですね。古くはレオンタイン・プライスとか、最近ならバーバラ・ヘンドリックスあたりが歌っていますが、バトルの、ドラマティックな感じとはちょっと違う声で歌われると、随分印象が変わります。こんなに抒情的なものだったのか、と。
 やっぱり勿体無いよなぁ、バトル......



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