ハイドン:弦楽四重奏「ひばり」 (3/31)

F.J.Haydn : String Quartet D major op.64 No.5 "Lark" / B minor op.33 No.1 / G major op.76 No.1
 Quatuor Ebene
 MIRARE MIR013

 今回は、「にほんブログ村」のトラックバックコミュニティ「弦楽四重奏」の企画、「ヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲」に参加するのであります。ちなみに、もう一つのトラコミュ「ヨーゼフ・ハイドンの音楽」との共催だそうですが、残念ながらdoblogではトラックバックは一つしか付けられないので、そちらにはTBしていないのであります。悪しからずご了承下さい。

 というわけで、本日は私の好きなハイドンの弦楽四重奏曲である「セレナード」を.....と思ったのですが、事前に「アレはホフシュテッターの作品であることが判明しているので」ということで却下されてしまいました。そう。かつては「ハイドンの初期の名作」と目されていた「セレナード」は、既に20世紀前半には「偽作」であると同定され、ハイドンの作品からは除外されているのです。

 まぁ、確かに、そうなんですけどね。

 じゃぁ、偽作でないハイドンの弦楽四重奏では次は何が好き?と問われると、咄嗟に出て来るのは「ひばり」なのです。
 この曲は、クラシックを聞き始めの頃、スメタナ四重奏団の演奏で聞いて以来の付き合いです。第一楽章冒頭、スタッカートで第二ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロが入って来る。そこへ、高みを飛ぶが如く伸びやかに第一ヴァイオリンが歌い出す。もう、これだけで嬉しくなってしまうのです。
 嬉しくなる?そう。ついつい嬉しくなってしまうのです。少し奇妙に感じられるかも知れませんが、でも、ハイドンの音楽には、何処かそういう風に感じさせるものがある曲が少なからずあるな、と思うのです。機嫌の良さ、と言い換えてもいいかも知れません。勿論、ハイドンは、決してそんな音楽ばかりではありません。気難しげな音楽、内向し沈潜するような音楽、荘厳な音楽、そういう音楽もあります。でも、私にとってハイドンの第一印象は何かと考えると、やはり「機嫌のいい音楽」が思い浮かぶのです。それで済ましてしまうのは幾ら何でも失礼だろ、と言われそうだとしても。
 それは、ハイドンの職業的立場故ではないか?という見方もあると思いますが、この「機嫌の良さ」は、後年のエステルハージ家との関係が一度絶たれた後も決して失われてはいません。やはり、ハイドンという人の音楽がそうであった、と考えた方がいいのじゃないかと思うのです。この「ひばり」が書かれたのは1790年、既にハイドンはモーツァルトから「ハイドンセット」を受け、「プロシア四重奏曲」を書いています。その上で尚こういう曲が書ける。

 「セレナード」が偽作だったのは事実なのでしょうが、「セレナード」にもこの「機嫌の良さ」のようなもの、ハイドンらしさとでもいうようなものが感じられるのは確かなのです。かつて人々が「セレナード」をしてハイドン作と然らしめたのは、決して故無きことではないと思うのです。

 「ひばり」も数多の録音がありますが、今回は最近の録音で、エベーヌ四重奏団のものを。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの公演で来日している、まだ結成して10年そこそこの団体です。一度聞いたことがありますが、その時の印象も、この録音も、共にとても新鮮な演奏。決して尖った演奏をするわけではなくて、むしろ「丸い」演奏ですが、よく和していて、それでいて決して小さく纏まっているわけではない。伸びやかな演奏です。よくよく聞いていると、時々細かい仕込みが見え隠れするのは御愛嬌、でしょうか。
 ハイドンの「機嫌の良さ」によく似合う、と思う所以であります。

 ちなみに、「セレナード」の録音は、意外とあります。イタリア四重奏団(PHILIPS)、ウィーン四重奏団(カメラータ)、コダーイ四重奏団(CAPRICCIO)など。いずれも決して悪くない演奏です。別に誰が書いてたっていいじゃないか(^-^)、と思わず言いたくなるような、ハイドンだってそう言うんじゃないかな、と思わせるような、機嫌のいい演奏です。




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