マリオ・デル・モナコ ソング・アルバム (4/1)

オ・ソレ・ミオ / ビー・マイ・ラヴ デル・モナコ・ソング・アルバム
 マリオ・デル・モナコ (tenor)
 エルネスト・ニチェッリ指揮オーケストラ
 マントヴァーニ指揮マントヴァーニ・オーケストラ
 DECCA / ユニバーサルクラシック UCCD-7100

 さて、世の中は全く憂き世と言うが如し、悪貨は良貨をいとも簡単に駆逐するのでありますが、我ながら悪貨の端くれとしましては、精々憎まれっ子として世に憚ることと致したく思うのであります。

 で、今更ながらデル・モナコのアルバムです。この録音も、昔々キング時代にも持っていて、デッカ=ロンドンでは「デル・モナコ大全集」でも持っているのに、車載用としてついつい中古で出ていたのを拾ってしまったCD。我ながらこの録音何度聞いてることやら.....
 実は、オリジナルには「イタリアン・ソングス」と「ソング・フォー・ユー」なる二枚のアルバムだったのを1枚に収録し直したもの。なので、録音年月日も1954年と1962年、伴奏も二組に分かれています。全体としては、まぁ、気晴らしに聞くあれこれ、というところなんでしょうか。
 前半が「イタリアン...」の方。メジャーどころでは「オ・ソレ・ミオ」「泣かないお前」「グラナダ」「帰れソレントへ」などが入ってます。後半が「ソング・フォー・ユー」。といっても、カーペンターズで一躍不動の名曲となったジョン・ラッセルのあの曲とは関係ありません。「禁じられた音楽」「マリウ、愛の言葉を」(どうでもいいけど、これ、「マイウー」に聞こえてきそうで仕方無いのですが....)「トゥナイト」「カタリ」と、これまた名曲揃い。しかし、1962年に「トゥナイト」を録音しているのですから、デル・モナコもチャレンジャーと言うべきか、レコード会社も目先が利くというか......

 デル・モナコは、しかし、ドスの利いた声と言うべきか、本当に「気楽に聞く」歌になってるか、と言われると微妙なんですよね。
 昔、それこそデル・モナコが活躍していた頃、マリオ・ランツァというテノールが居て、この人、まぁ実際のところはオペラ歌手というより限りなくポップスの「シンガー」に近い人だったのですが、恐らくこのCDに収まっている曲は、ランツァあたりで聞くと「いい気晴らし」になるんでしょう。そこまで言わなくても、例えば、フェルッチョ・タリアヴィーニあたりの甘い柔らかい声で歌われたりすれば、ね。

 でも、それはそれとして、この録音楽しくないかというと、これはこれで楽しいのです。多分、私なんかはここでは「気楽な曲」ではなくて、「デル・モナコ」を聞いているんでしょう。
 正直、デル・モナコは、あまりにも声が特徴的過ぎて、「何を歌ってもデル・モナコ」になってしまう面があります。デル・モナコのドン・ホセ(カルメン)とかマントヴァ公爵(リゴレット)なんて武張ってて物凄いですからね。Questa o quera なんて、一体なんでそんなに激情に駆られておられるのでしょう?って訊きたくなるくらいにミスマッチ(苦笑)
 でも、それでもやはりデル・モナコの声は捨て難いし、その声を聞きたくて聞いているのでもあります。

 昔々、年配の方を訪ねて行った時、何かの話からレコードでフランコ・コレッリのナポリ民謡集を聞くことになったのですが、それを聞きながら「ああ、これを聞くと、"イタリアだなぁ" という気になるんですよ」というお話をしておられたのを思い出します。コレッリの声も特徴的で、「何を歌ってもコレッリ」で、ナポリ民謡集なんて何処か合ってないんだけど、でも、そこが良くて聞きたくなるんですよね。

 このデル・モナコのCDもそう。デル・モナコの本気は、トロヴァトーレやオテロを聞くのが一番いいんだけど、でも、ちょっと「デル・モナコを聞きたい」とか、「イタリアのテノールの力強いところをちょっと聞きたい」なんて思う時、いいんですよね、これ。




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