20世紀スイスの作曲家によるフルートとピアノの為の作品 (5/25)

Schweizer Musik fuer Floete und Klavier aus der Mitte des 20.Jahrhunderts
Werner Wehrli : suite, op.16 / Sonata, op.54
Robert Oboussier : Pavane et Gaillarde
Constantin Regamey : Sonatina
Peter Mieg : Sonate

 Thomas Straessle (floete)
 Christian Zaugg (Klavier)
 MIGROS MUSIQUES SUISSES MGB CD 6222

 例えば、日本のレコード会社は、儲からないと言いながらも、一応、日本の作曲家や音楽家の演奏を録音して発売してくれたりします。まぁ、一種の自国文化支援みたいなもんですね。
 どうしても日本はクラシック音楽プロパーの国ではないから、こういうことが必要。ヨーロッパ諸国はそんな必要も無い.....かというと、これがそうでもなかったりします。UKには、ニムバスやシャンドス、ハイペリオンといったレーベルがあって、自国の作曲家や演奏家の作品を多く録音しています。どうしても、クラシック音楽の世界で見れば、特に作曲関係ではUKは非主流ですから、仕方ないかもしれません。
 もう一つ、大陸にある、いわゆるクラシック音楽の中心地の一つのような顔をして、実は辺境地区、という場所があります。スイス。

 はい。ここで、スイスの作曲家を挙げて下さい、と言われて、挙がりますか?俄には出てこないのではないでしょうか。私は、よく知りません。
 元々スイスは、周りを取り囲むドイツ・フランス・イタリアという3つの大国の文化圏に属する人達で成っている国です。つまり、元々民族国家ではない上に、州の集まりから成る連邦国家です。独自の文化が無い訳では無いけれど、それは事実上少数民族と言うべき位置付けですし、そもそもスイス国全体を代表する文化というわけではない。
 クラシック音楽で言えば、そうした文化を育む宮廷はなかったし、都市に育った筈のブルジョワ層も、厳格なプロテスタントが多い土地柄もあって、華やかな音楽文化には繋がらなかったのでしょう。

 そんなスイスには、自国の音楽を積極的に取り上げているレーベルが2つあります。一つは、これは結構有名なClaves。そしてもう一つが、MIGROS。スイスのスーパーマーケット・チェーン、MIGROSが持っているレーベルなのです。Clavesが言わば「普通の」レコード会社なので、決してスイスに特化しているとは限らない(ベルガンサのスペイン歌曲集なんかを出していましたし)のに対し、MIGROSはかなりラディカルな方針を採ってます。即ち、伝統音楽から現代音楽まで、スイスの音楽に特化していること。特に、20世紀のスイス作曲家の作品について積極的に録音しています。いや、さすがにここまで付き合うのは大変.......
 にも関わらずお値段はフルプライス。なので、たまに投げ売りセールの中に入っているのを拾って来るぐらいなのですが。演奏、録音は、結構質がいいので、面白いには面白いのです。

 んでもって、そんな経緯で入手したのがこれ。20世紀中期の、フルートとピアノの為のスイス音楽。うーん。そうは言うものの、幾らなんでも、なんでこんなの買ったんだっけ(笑)
 と言っても、そう突拍子も無い音楽でもありません。ここで取り上げられている作曲家は4人ですが、最初に取り上げられているヴェールリ(と読むのでしょうか?この、Wehrli という綴り)の作品など、調性感ばっちりの後期ロマン派と呼ぶに相応しい作品です。むしろ肩透かしにあったようで、物足りないくらい(謎)まぁ、1921年の作品ですから、そんな所なのでしょう。
 とはいえ、ここで取り上げられている作品、率直に言えばあまり現代音楽してい
ません。元々、フルートとピアノの二重奏、という組み合わせも、あまりとんがった方向に行きにくい組み合わせかも知れませんし。ただ、時期的には、先の1921年の作曲を筆頭に、最も新しい年代のものでも1963年の作ですから、やはり作品としては随分聞きやすいのかも知れません。
 実際、メロディアスと言っていい作品が多いのです。20世紀音楽の、旋律や和声体系を解体して、バラバラにすることに目的があるような風の音楽が無い。まぁ、最近は、むしろそういう音楽の方が主流だった、ということになってるのかも知れませんが、ともあれ、これは聞いて「時間の無駄だったー!」と思わせない(その種の「先進的音楽」こそ20世紀音楽!という向きには時間の無駄と言わしめるかも知れませんが....)作品群です。

 まぁ、普通に買うと高いし、気軽に「お勧めします」というようなCDでは御座いませんが、何処ぞの投げ売りセールで巡り会ったらどうぞ、てなとこでしょうか。







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