シノーポリの「トロヴァトーレ」 (9/26)

G.Verdi : Il Trovatore
 Julia Varady (soprano)
 Stefania Toczyska (mezzo-soprano)
 Dennis O'Neill (tenor)
 Wolfgang Brendel (bariton), etc.
 Chor der Bayerischen Staatsoper
 Bayerishes Staatsorchester
 Giuseppe Sinopoli (conduct)
 ORFEO C582 0321

 ええとですね、私、別に聞いたCDこれ皆ここに書いてる訳ではないのでして、むしろ書かないCDの方が多いのです。書かない理由は、ネタにしにくいとか、気が乗らないとか、色々ありますが、当然ながら「こりゃちょっとね」という出来のものも、書かないことが多い訳です。自分でも言うこときついし独善的毒舌だと思うけど、そういうのは、やっぱり書きにくかったりしますし。

 で、実のところ、このCD、出来が悪いんですよ。にも関わらず書いてるのは、偏に、シノーポリが不憫なものだから(笑)

 1992年2月2日、バイエルン国立歌劇場でのライブ録音。この頃、確か自分は友人と連れ立ってこの辺に居たから、ちょっと間が合ってれば、トロヴァトーレだし、絶対聞いてた筈なんですけどね。

 で、この録音、シノーポリが冴えてるのです。オーケストラの追従も見事で、トロヴァトーレとしてオケが来て欲しい所にきちんと来ているのです。間の取り方も、ライブならではのリタルダントなんかも含めて、いい案配で。いや、本当にいい演奏なのです。が。キャストが弱い。

 マンリーコにデニス・オニール。...........殆ど「あんた、誰(by クレージーキャッツ)」級。いや、いましたよ、そういう歌手。でも、これが、弱い弱い。CDで繰り返し聞くには、あまりに格好悪い。物足りないと言うか、妙に声は出てるんだけど、あまりいい歌い方ではない。癖があり過ぎて、田舎の三文芝居みたいでしらけちゃうんですね。ちょっとぶら下がり気味だし。
 レオノーラにユリア・ヴァラディ。主に、DFDの奥さんとして有名。うわぁ、我ながら酷い言い様。でも、確かに歌手として舞台に立つだけの力量はあるにせよ、この人で舞台を持たせられる、というほどの魅力がある歌手ではないなぁ。
 アズチェーナにはステファニア・トツィスカ。いや、これは本当に「あんた、誰」。いや、一応声は出てます。でも、インパクトがもう一つ足りない。狂気と言うか、アズチェーナの不気味さ、怖さがちょっと。
 唯一聞いてそれなりに頷けるのはルーナ伯爵のヴォルフガング・ブレンデル。でも、この人、いい歌手なんだけど、「おお、これは凄い!」と思わせるようなタイプではないんですよね。いぶし銀の魅力、みたいなところがあって。他の歌手が良ければ良いほど、相手を輝かせて、自分も存在感を増す、とでもいうような。てことは、この状態では.....

 このキャスティングで、プレミエで、シノーポリは振ってる訳です。
 ま、そりゃ、振るのは指揮者の仕事だし、指揮者とオーケストラはそれなりにいい仕事してるんだけど......シノーポリもオケも、頑張りがいがいまいちなかったねぇ(笑)みたいなところがあって。その辺の不憫さが妙に印象に残ってしまっていて。

 いや、ライブながら、この演奏自体は面白いし、それなりに考えられていて、流石シノーポリ、と思う訳です。来て欲しい所に来るし、前述の通り、結構リタルダントなんかも掛かってるけど、実演という状況下ではなるほどと思わせる内容で、不自然さは殆ど無い。.........歌手が不自然な歌い方をしない限り。
 こういう演奏も、あるもんなんですねぇ。
 勿論、キャストを見た瞬間に「?」と思ったのは事実なんで、実際聞いてみて失望した、なんてことは無いんですが。でも、ちょっとこのシノーポリの不憫さは、妙に心に残ってしまったので(^^;






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